大相撲の春巡業は18日、千葉・浦安市で行われ、横綱・照ノ富士(伊勢ケ浜)がぶつかり稽古で、期待の若手・大の里(二所ノ関)に胸を出した。

 腰のケガで春場所を途中休場した横綱は夏場所(5月12日初日・両国国技館)で新三役が濃厚な大の里に胸を出した理由を「腰が十分に下りないから、身長が高い人に胸を出して、徐々に調整していこうかな」と説明。力強い突進をがっちり受け止め、大の里の息が上がっても稽古は止まらなかった。稽古が熱を帯び、大の里が中々、立ち上がれなくなると「早く!」とゲキも飛ばし、最後の一本では笑顔も見せた。「良い体をしている。立ち合いの後の出足も良いものを持っている。結果を残しているということは実力があるから」と能力を高く評価した。

 ぶつかり稽古後も土俵下でしこの踏み方の直接指導が続いた。しこを踏む際に地面に力を伝えるための足の指の使い方を伝授。「しこの力のかけ方で(圧力の)効き方も変わってくる。(相撲についても)ただ体当たりしているだけ。気持ちに余裕がない。まだ足りない部分が多い」とより高いレベルでの成長を促した。

 大の里は「初めて横綱に胸を出してもらった。ありがたいです。5月に向けて頑張りたい」と恩返しを誓った。