J2で18位の藤枝MYFCは20日、最下位の徳島と対戦(午後2時、藤枝サ)する。19日は焼津市内で最終調整し、FW平尾拳士朗(23)の今季初ベンチ入りが濃厚となった。今季限りで引退を発表したフランクフルトMF長谷部誠(40)から学んだ“藤枝東魂”でチームに活力を与える構えだ。

 “背水”の一戦でチャンスが巡ってきた。18位・藤枝と20位・徳島の勝ち点差は3。他会場の結果次第では第4節以来の最下位に逆戻りする可能性もある。リーグ戦では今季初めて18人に名を連ねる平尾は「とにかく点を取ることを考えて、どんな状況でも勝利に導きたい」と表情を引き締めた。

 藤色の魂を胸に秘めてピッチに立つ。17日、母校の大先輩・長谷部が引退を発表した。「ずっと憧れていた方。藤枝東の姿勢を見せてくれたし、自分たちが引き継いでいけるように頑張りたい」。対面したことはないが、中学時代に著書「心を整える。」(幻冬舎)を熟読し、読書感想文をつづった記憶もある。「試合に挑むイメージ作りをされていた。自分もマネしようと思いました」と先輩の教えは今も胸に生きている。

 FW登録ながらプロ1年目の昨季からボランチを中心にプレー。ベンチスタートとみられるが、シャドーを含めた中盤の攻撃を活性化する存在として期待される。この日は居残りでシュートも打ちまくり「練習の中でもアシストやゴールにかかわる回数は増えている。調子は悪くない」と強調。藤色の系譜を継ぐ若武者が5試合ぶりの白星を呼ぶ。(武藤 瑞基)