◆サッカー男子パリ五輪アジア最終予選兼U―23アジア杯 ▽1次リーグB組第2戦 日本2―0UAE(19日・ドーハ)

 最後の最後まで、この日も右サイドバック(SB)の関根はピッチ上で戦い抜いた。2―0で迎えた試合最終盤の後半アディショナルタイム(AT)8分には、相手との空中戦の競り合いを制するなど、全ての力を注いで2連勝で1次リーグ突破に大きく貢献。AT時間を合わせて初戦は103分、2戦目は105分…初戦から中2日で計208分間の大奮闘は間違いなく主役級の働きだ。「大会に来る前からコンディションもすごくいいですし、変に緊張とかもあまりないです。普段と変わらないようなプレーも出せてますし、うまくこの舞台を楽しめてるかな」とうなずいた。

 身長187センチの長身SBは、球際や競り合いの強さなどの守備はもちろん、攻撃も大きな魅力。縦への推進力だけではなく、キック精度の高い右ウイングの山田楓を生かすために、簡単にボールを預けたり、より内側に入って、インサイドハーフと3人のコンビネーションで崩すなど、攻撃に厚みと幅を生み出す。

 初戦の中国戦(1〇0)から先発を7人変更したが、同じ右SBの半田のコンディションが万全ではないこともあるが、右サイドの関根と山田楓が固定されたのも期待の表れだろう。関根が「右から崩してチャンスっていうシーンも本当に何回もあったので、(山田)楓喜くんともいい関係を築けている」と話せば、山田楓も「自分がやりやすいように位置を取ってくれたり、走ってくれたり、俺のやりたいようなプレーをしてくれる。合わせることもできる選手なんで、すごくやっていて楽しいですし、助かるなっていう部分はあります」と感謝する。スムーズな連携から何度も好機を作るなど、1次リーグ2試合を経て、右サイドからの攻撃はパターンの一つとして確立されている。

 現在拓大4年ながら、今季から1年前倒しで柏でプレーする。センターバックから右SBの転向したのも大学1年からで、まだまだポジション歴もプロでの経験も浅いが、その分、1試合ごとの成長の度合いも大きいように思う。「今のところはいいパフォーマンスを出せてますし、のびのびとプレーできている。それをこれからも続けていければいい」。伸びしろは無限大。躍動を続ける関根にまだまだ期待したい。(U―23日本代表担当・後藤亮太)