◆JERAセ・リーグ 阪神2―8ヤクルト(26日・甲子園)

 自慢の守りが崩壊し、10試合ぶりに敗れた。4失策が全て失点につながり、今季最多の8失点。これまで23試合は複数失策が一度もなかったチームの異変に、阪神・岡田彰布監督(66)は「出たら、一気に出るな」と首をかしげた。木浪は自己ワーストの1試合3失策。2分けを挟んだ連勝が7で止まった。

 0―2の4回無死一、二塁で武岡の遊ゴロを木浪が失策。リズムを崩した青柳が小川に押し出し四球を与えた。続く西川の中犠飛で、まさかのプレー。中継の木浪が本塁送球を寸前で自重したが、腕の勢いを止められず、手から離れたボールが転々とした。この間に1死二、三塁とピンチが拡大。さらに追加点を献上した。

 昨季ゴールデン・グラブ賞で、今季も無失策だった男のミス連発から負の連鎖。6回には大山がタイムリーエラーを犯した。さらに7回。先頭の長岡の遊ゴロを木浪がはじき、「しっかり練習します」とうなだれた。

 リーグ最低のチーム打率2割2分2厘での首位は「守りの野球」の成果。2リーグ制後の球団最長となる15試合連続被本塁打ゼロとしたが、土台が崩れた指揮官は一つ目だけをとがめた。「(俊足の)武岡のあの打球で併殺取れへん。慌てる必要ない、一つでええねん」。ファインプレーは不要。取れるアウトを確実に奪うことを求める普段通りの言葉に続き、攻撃も基本を指摘した。5回無死一、二塁で坂本が犠打失敗の一ゴロ。「高めのボールやろ。(二塁走者は)見送ると思うよ。スタート遅れるよな、そら。ストライクバントや」と叱責した。

 毎年恒例の「ゴールデンウィークこどもまつり」。スコアボードを平仮名で表記しているが、プロの技で魅了できず、原点に立ち戻る日になった。(安藤 理)