子どもたちの健やかな心身の育成と社会貢献を目的とした野球教室「ファンケル キッズベースボール 2024in北海道札幌市」が27日、札幌市東区の「つどーむ」で行われた。札幌では昨年9月以来、3年連続6度目の開催。札幌市周辺の小学生軟式野球62チームから391人の少年少女が参加し、笑顔でボールを投げ、打ち、走り、充実した1日を過ごした。

 講師を務めたのは8人。2016年以来8年ぶりの札幌大会参加となった前巨人監督の原辰徳さんをはじめ、村田真一さん、高橋由伸さんの巨人OBに、地元・日本ハムOBの西崎幸広さん、元大洋(現DeNA)の久保文雄さん、元ヤクルトの笘篠賢治さん、日米で活躍した五十嵐亮太さん、横浜(現DeNA)、ソフトバンクOBの内川聖一さんが指導にあたった。

 開校式に続き、キャッチボールからスタート。西崎さんがボールの握り方と指の位置などを詳しく説明。トップの作り方、肩、肘に負担がかからない投げ方などを伝え、原さんが相手を務めて実践して見せた。

 その後、投手、捕手、内野、外野のポジションに分かれて指導。捕手担当の村田さんは「(巨人)阿部監督にもやらせた練習をします」とミットの使い方を含めたキャッチングとワンバウンドへの対応、フットワークをレッスン。内野の笘篠さんは構えからゴロの捕り方と見本を示しながら丁寧に教えていった。

 打撃指導は高橋さんと内川さん。内川さんは「バットの芯の位置を速く振れれば、遠くに飛ばすことができる」と話し、高橋さんとともに実際にロングティーでスイングを披露。きれいな放物線を描いた大きな打球が飛ぶたびに選手たちからは大歓声が上がった。修了式では原さんが「我々も教えがいのある、本当にいい時間を持ったと思います」と講評。「プロ野球で待っています」とエールを送った。

 「キッズの笑顔が世界の元気」をスローガンに掲げる野球教室は、原辰徳さんの提案にファンケルが賛同して2010年に始まり、今大会が通算53回目。昨年度は計4回の開催で1309人の小学生が参加し、これまでの参加者はのべ2万2000人以上に上る。今大会でも、使用しなくなった用具を回収し、JICA(国際協力機構)などを通じて用具不足の国や地域に贈る活動を実施。この日は473点が集まった。今年度は札幌の後、横浜、富山、倉敷で開催される。