◆明治安田J1リーグ第10節 磐田2−0町田(27日・ヤマハ)

 ジュビロ磐田は首位の町田を2―0で下し、3試合ぶりの白星を挙げた。後半1分、4試合ぶりに先発したDF松原后(27)の今季1号で先制。同25分にはFWジャーメイン良(29)が2戦連発で自身初の2ケタ得点となる今季10点目のPKを決めて突き放した。守備も自軍の倍以上となる16本のシュートを浴びながら無失点でしのぎ、価値ある勝ち点3で9位に浮上した。

 一瞬の隙を逃さなかった。後半1分、磐田・松原は味方シュートをGKがはじいた所に走り込み、左足を振り抜いた。「ブロックされない高さを冷静に狙えた」。町田戦のゴールは2年連続で、J1での得点は清水に在籍した19年6月15日の横浜M戦以来、1778日ぶり。背番号4は胸のエンブレムを激しくたたき、ゴール裏のサポーターと喜びを分かち合った。

 誰より燃えていた。J2で昇格を争った昨季の町田戦は1分け1敗。「競り合い、球際が大事になる。例え相手に転がっても全員でカバーする」。左腕にキャプテンマークを巻くゲーム主将として試合前から仲間を鼓舞し続けた。無理にラインを上げず、相手の持ち時であるロングボールに対してじれずに対峙(たいじ)した。町田の無得点は今季初。「これまでの試合で一番自信になった」。16本の被シュートをしのぎきった今季3度目の完封に胸を張った。

 昨季はシーズン終盤に右膝を負傷。オフに手術を強いられる大けがを抱えながら最後までプレーを続けた。直近も左膝を痛めたが2試合欠場しただけで戦列に戻った。患部はテーピングを巻いており「正直100%じゃないし、痛みはある」と明かす。それでも後半31分、プロ入り後初めて「つって」交代するまで足は止めなかった。

 横内昭展監督(56)も「本当にいいプレーをしてくれた」と闘志あふれる副将に拍手。次は5月3日、敵地で横浜Mと対戦する。「もっともっと上に行く」と誓った松原を中心に、ジュビロが連勝の“ゴールデンウィーク”を駆け抜ける。(武藤 瑞基)

 ☆磐田DF小川大貴(後半31分からピッチに立ちJ1通算100試合出場を達成し)「準備したものを集中切らさずに出すことができた」