<自転車:ジャパン・トラック・カップ>◇最終日◇12日◇静岡・伊豆ベロドローム

 

パリ五輪でのメダル獲得が期待されるケイリンは、男子が太田海也(24=楽天Kドリームス)、女子は佐藤水菜(25=楽天Kドリームス)が優勝した。男子エリミネーションは窪木一茂(ブリヂストン)が勝利。女子マディソンは内野艶和、垣田真穂組(楽天Kドリームス)が制した。パリ出場枠の選考期間は4月中旬に終了しており、日本自転車競技連盟による協議を経て今後、内定選手が発表される。

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男子ケイリンはパリ五輪で活躍を期待される太田が、作戦の幅を広げるレース内容で快勝した。10日の同種目決勝では自らレースを動かし2着に敗れた。その結果を踏まえ、普段よりもタイミングを遅らせてスパート。最下位も覚悟したという戦法で勝利し「自信につながった」と笑みがこぼれた。日大を中退するまではボート部に所属。転向後、約3年で五輪金候補まで駆け上がってきた。レース後には「1ついいですか」と自ら切り出し「今日は母の日。普段なかなか言えないけれど、産んでくれ、育ててくれてありがとうございます」。自転車挑戦の決断を後押ししてくれた母へ、しっかりと感謝を伝えた。