◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第1日(2日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 ツアー本格参戦3年目の佐久間朱莉(21)=大東建託=が6バーディー、1ボギーの67をマークし、メジャー自身初の単独首位発進を決めた。ショット力の増した今季9戦で、トップ10入り4度で2度の優勝争いを繰り広げながら悔し涙を流してきた。恩人への弔い星の思いを胸に2019年大会の渋野日向子(25)以来、日本人2人目となる今大会でのツアー初Vを目指す。

 圧巻のバーディーラッシュで、佐久間がリーダーボードを駆け上った。10番から出ていきなりボギー発進。それでも冷静に12番で下りの5メートルを沈め、流れを立て直した。15番まで4連続でスコアを伸ばし、「焦らずに4連続(バーディー)が来たので、すごく流れが良かった」とうなずいた。今季好調の勢いのまま、メジャー自身初の単独首位発進に笑みを浮かべた。

 6954人のギャラリーが来場。最終9番で2メートルを沈めるバーディー締めに大喝采が湧き起こった。今大会の平日開催では歴代最多となる数のファンへ、ショット、パットともにさえた最高のプレーを披露。「(優勝スコアが)2ケタアンダーにはいくと思うので、毎日少なくても赤字(アンダーパー)に、と目標を立てている。少し貯金ができたかな」とほほ笑んだ。

 弔い星をささげたい人が居る。プロキャディーの渋谷一英氏(享年42)が、4月6日に大腸がんで死去。昨年のニトリレディス、住友生命レディス東海クラシックでコンビを組んだ。ともに予選落ちも「一緒にプロゴルファー人生まで考えてくれた。まず、しっかり食べなさいと。お父さんみたいに寄り添ってくれた。それもあって、このオフのトレーニングを頑張れた。感謝している」と佐久間。今季開幕前、「今年も応援している」と激励も受けていた。

 国内男子ツアー歴代最多94勝の尾崎将司(77)に師事する、伸び盛りの21歳。前週も含めて今季2度の優勝争いもあと一歩届かず。さらに、昨年のこの大会では自身初めて最終日最終組で回るも7位だった。「自信にもつながっている。悔しい思いもしているので、1日でも早く(V逸の)リベンジをしたい。思い入れが強い試合なので頑張りたい」。恩師と恩人への思いを胸に、メジャー舞台で初優勝をつかみ取る。(富張 萌黄)

 ◆佐久間 朱莉(さくま・しゅり)2002年12月11日、埼玉・川越市生まれ。21歳。父の影響で3歳から競技を始める。19年の日本ジュニアで2位に入り、翌年アマ日本代表入り。21年に埼玉平成高を卒業し、プロテストにトップ合格。同11月に下部ツアー優勝。22年はトップ10入り3度を含むメルセデス・ランク33位で初シード獲得。得意クラブはアイアン。155センチ。家族は両親と兄。

 ◆今大会がツアー初優勝 佐久間が優勝すれば、日本人では19年の渋野日向子以来2人目。外国人を含むとモーガン・プレッセル(米国、10年)、田仁智(韓国、15年)、レキシー・トンプソン(米国、16年)の過去4人(※08年のメジャー昇格後)。