◆サッカー男子パリ五輪アジア最終予選兼U―23アジア杯 ▽決勝 日本 1―0 ウズベキスタン(3日・ドーハ)

 8大会連続12度目となるパリ五輪出場を決めたU―23サッカー日本代表は、途中出場のMF山田が後半アディショナルタイムに決勝ゴールを決め、ウズベキスタンに1―0で勝利。4大会ぶり2度目の優勝を果たした。

 苦しい試合だった。しっかりとしたプレーモデル、コンセプトを持つウズベキスタンに押し込まれたが、耐えて優勝できたことは非常に大きな経験。そういった試合が決勝でできたことは五輪に向けても大きい。

 前半はFW細谷が孤立してしまい、彼にボールが入っても周りのフォローがなかなかできず、自分たちで攻撃の時間を作ることができなかった。後半、日本はインサイドハーフの一角だったMF松木の位置を細谷の近くに変更。少しずつシュートが増えるなど状況は変わっていった。

 加えてウィングの選手が少し内側に入ることで、サイドバックとサイドのレーンの使い方が上手くできるようになった。選手交代も効果的で、後半から出場した山田は右サイドで起点となり、MF荒木はライン間でボールを受ける動きを続けたことが決勝ゴールにつながった。このチームにはバリエーションを持てる選手が多いことが大会を通して明確になったと感じる。

 五輪ではパラグアイ、マリ、イスラエルと同組に入った。3月の国際親善試合で敗れたマリは、非常に大人なチームという印象だ。規律があり、クレバー。ウズベキスタンに近いが、マリの方がもっと身体能力が高い。決して楽なグループではないが、3月に試合を組めたことは良かった。今回の試合のように、苦しい時間帯にどうやって状況を変えていくのか。その引き出しをチームで増やしていく必要がある。(スポーツ報知評論家)