◇高校野球◆春季宮城県中部地区予選 ▽2次予選 仙台商1−3仙台一(3日・仙台市民)

 2次予選で仙台一が仙台商に3―1で逆転勝ちし、県大会(16日開幕、石巻市民ほか)出場を決めた。1次予選初戦で大敗も、“挑戦者精神”を胸に復調。夏の甲子園出場を最大目標に、公式戦を重ねることで貴重な経験を積んでいく。

 勝てば県大会出場、負ければ予選敗退の大一番を制した。昨秋県8強の仙台商に逆転勝利。仙台一・千葉厚監督(45)は「何とか勝たせていただいた。(選手には)粘ってくれと話していた」と厳しい展開にも動じず戦った選手たちをたたえた。

 昨秋は県3位で東北大会出場。今春センバツの21世紀枠候補まで残ったが、選ばれなかった。1次予選初戦(20日)の東北学院戦は初回にミス続出で8失点するなど、4―12で7回コールド負け。大敗スタートも指揮官は「(あの敗戦で)自分たちは挑戦者だと切り替わった」。この一戦も1点を追う7回に追いつくと、8回1死二塁から3番・遠藤颯左翼手(3年)の中越え適時二塁打で勝ち越した。二塁ベース上でガッツポーズを見せた遠藤は「甘い球をしっかり打ててうれしい」と笑顔だ。

 チームは3月、関西遠征の際に甲子園を訪れて試合を観戦。小川郁夢主将(3年)は「ここでプレーしたい、夏に絶対に来たいと思った」と胸に刻んだ。真剣勝負を一戦でも多く戦い、夏に向けてチーム力を高めていく。(有吉 広紀)