◆東京六大学野球 春季リーグ戦 第4週第1日 ▽慶大2―0立大(4日・神宮)

 奇跡と呼んでいいだろう。同じ高校の同級生同士が監督を務め、東京六大学の舞台で雌雄を決した。慶大・堀井哲也監督(62)と今春から指揮を執る立大・木村泰雄監督(63)は静岡の名門進学校・韮山のクラスメート。ともに汗を流し、甲子園出場を目指した仲間だった。

 堀井監督が「ゲームに入ったら、野球の中身とは関係ないと言い聞かせたんですが…感慨深さはありました」と話せば、木村監督も「神宮球場でお客さんもいっぱい入ってもらった中、同級生で監督で試合が出来たということは、本当に光栄だと思います」と語った。

 ネット裏では二人の恩師で1、2年時に韮山監督を務めた豊岡武士・三島市長(81)も観戦。「どちらかに味方はできませんから」とネット裏の中央部から見守り、「本当にうれしい限り。出藍の誉れですね。二人ともものすごい努力家で、とにかく野球が好き。努力、努力、努力できょうまできた」と感無量の表情を浮かべていた。(加藤 弘士)