◇B2リーグ プレーオフ準々決勝第2戦 A千葉93ー76ベルテックス静岡(4日・千葉ポートアリーナ)

 ベルテックス静岡が東地区優勝のA千葉に76―93で敗れ、2戦先勝制のプレーオフ(PO)で連敗を喫し、準決勝進出を逃した。前半は8点差で食らいついたが、後半は今季レギュラーシーズンで4戦全敗だった強豪に突き放された。ベルテのB2昇格1年目のシーズンが幕を閉じた。

  ベルテックス静岡の2023―24年シーズンがフィナーレを迎えた。56勝4敗と圧倒的な強さで東地区で優勝したA千葉に連敗。PO初戦での敗退が決定したファクンド・ミュラーHC(50)は「頑張ったけど、足りなかった。シーズンで一番強い相手だった」と、潔く敗北を認めた。

 後半に相手の圧力に屈した。ボールマンにプレッシャーをかけられ、ターンオーバーから失点を許した。速攻での得点はベルテが6点に対し、A千葉は19点。加納誠也主将(35)は「このメンバーでやれる最後の試合。あしたにつなげたかった」と、悔しがった。

 B2昇格1年目で確かな、足跡は残した。一時は、PO進出も危ぶまれたが、終盤の12試合で9勝3敗とハイアベレージの勝率でワイルドカードを争った神戸を逆転し、POのラスト切符をつかんだ。司令塔の岡田雄三(28)は「1年目でPOに出られたことはいい経験になった。自分たちの力は100%出した」と、胸を張った。

 Bリーグ参入5年目で着実に「ベルテックス」の名前は、静岡県内に浸透してきている。1年目の1試合平均の観客人数は、806人。B2昇格を決めた昨季は1268人だった。B2元年の今季は2096人と1年目の2・5倍を超えた。このはなアリーナで行われた今年3月24日の滋賀戦では、クラブ史上最多3493人を集客。地道な活動とともにチームは少しずつ、認知されてきた。

 来季はB1昇格が目標となる。ただ、B1ライセンスに欠かせない5000人規模のホームアリーナが必須条件だ。ミュラーHCが「そこは私と選手にはどうすることもできないこと」と言えば、加納は「アリーナさえあれば、すぐにでも(B1に)上がれる伸びしろはあると思う」と、訴える。ベルテのさらなる成長には、自治体のバックアップ体制が欠かせない。

(塩沢 武士)