34年ぶりに東京ドームで行われたプロボクシング興行に、4万3000人の観衆が集まった。主催者の大橋ジムの大橋秀行会長は「この東京ドームでの試合は、一般の人はボクシングってすごいものだと思ったと思います」と総括した。

 同一興行では日本史上初となる4大世界戦が実施された。3試合は1998年8月、横浜アリーナでのロッキー・リン(ロッキー)、坂本博之(角海老宝石)、辰吉丈一郎(大阪帝拳)など多数。2会場以上で同日世界戦5試合は3度あるが、すべて日本人の4大世界戦は初めてとなった。

 世界戦は第1戦のWBA世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチで王者・ユーリ阿久井政悟が同級3位・桑原拓を判定で退け、東京ドームで世界戦に勝利した初めての日本人ボクサーとなった。

 第2戦のWBA世界バンタム級タイトルマッチは王者・井上拓真が同級1位の挑戦者・石田匠を判定で退け、2度目の防衛に成功。

 セミファイナルのWBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチでは王者ジェイソン・モロニーを、同級5位の挑戦者・武居由樹が判定で破り、日本ボクシングコミッションが認定する100人目の世界王者に輝いた。

 メインイベントではWBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチで、4団体統一王者の井上尚弥が、WBC同級1位ルイス・ネリを6回TKO勝ちで退け、4団体王座の防衛に成功させた。

 ◆東京ドームでのプロボクシング興行の観衆 88年は5万1000人、90年は5万1600人。日本人ボクサーがメインの試合で過去最多は1952年5月19日に後楽園球場で行われた王者ダド・マリノー挑戦者・白井義男の世界フライ級タイトルマッチの4万5000人で、白井が日本史上初の世界王者となった。