◆パ・リーグ ロッテ1―1日本ハム=延長12回=(17日・ZOZOマリン)

 らしさが戻ってきた。ロッテ・佐々木が今季最速162キロをマークした。2回2死、万波への1ボール2ストライクからの4球目。高々と足を上げたフォームから放たれた直球が今季の最速を1キロ上回った。やや甘く入ったが、球威で押し切ってファウルにした。緩急自在に三振の山を築き、今季最多12Kで8回3安打1失点の力投。4勝目はならなかったが、「1点を取られてしまったが、自分らしい投球ができたかな」とうなずいた。

 前回登板(10日)は自身初のエスコンで、6回途中自己ワーストタイ5失点で2敗目。雪辱を期し、「初回から全力で」とギア全開だった。今季は開幕から直球の最速が150キロ台中盤から後半までの時期が続いた。ここまで6試合で計2球だった160キロ台の直球は、「全体的にいいフォームで投げられた」と計12球。チームが7連敗中の難敵を前に剛球がうなった。

 ネット裏には、今季最多10球団のメジャー関係者が視察に訪れた。7回に犠飛で同点とされたが、後続の万波は160キロの直球でバットをへし折って投ゴロに打ち取るなど、“令和の怪物”らしさは見せつけた。一方、チームは2戦連続で今季3度目の引き分け。頼れる右腕は「チームが勝てなかったので、リベンジにはならなかった」としつつ、「ある程度は抑えられたので次につながる」と手応えも口にした。(竹内 夏紀)