●7600人に発送、20人以上来訪 千円分、57店舗で利用可

 氷見市のふるさと納税で、能登半島地震の災害支援として返礼品のない寄付をした人に、市内店舗で利用できる地域共通券「応援感謝券」が贈られている。返礼品発行業務を担う宮城県石巻市の民間会社が感謝の心を伝えようと経費を全額負担して発行しており、感謝券の発送は11日までに7600件を超えた。関係者は心温まる善意を寄せてくれた氷見ファンに来訪してもらうきっかけになると期待している。

 氷見市には地震後に全国各地から災害支援の寄付が相次ぎ、ふるさと納税で返礼品のない災害支援寄付は3月末で7661件、7834万円余に上った。

 「氷見市応援感謝券」を発行しているのは、石巻市に本社を構えるビッグゲートの氷見事業所。ふるさと納税で結ばれた縁を大切にしながら、地元店舗の復興の一助にしたいとの考えから、同事業所長地域商社準備プロジェクトリーダーの岡田弘毅さん(39)らが市に相談して企画した。

 岡田さんは市ビジネスサポートセンター(通称・ヒミビズ)の初代センター長を務めていた。

 2月下旬から、市内の57店舗で利用できる応援感謝券(千円分)を発行し、これまでに7600人以上の寄付者に林正之市長の礼状などと一緒に送付した。

 同社氷見事業所によると、3月末時点で応援感謝券を受け取った20人以上が実際に氷見を訪れ、買い物などに使って復興を後押ししているという。

 応援感謝券の使用期限は5月6日までで、同社コンサルティング部門カスタマーサクセスの儀保優奈さん(25)は「復興に向けて歩み出している氷見に来てもらうことが一番の支援になる。きれいな景色とおいしい食事、温泉を楽しんでほしい」と来訪を呼び掛けた。