●漫画、小説など4000タイトル

 「書店ゼロ」自治体だった立山町で26日、役場敷地内に本格的な品ぞろえの本屋を併設した「ローソン立山町役場店」がオープンした。富山県内で書店併設型ローソンは初で、通常のコンビニエンスストアで扱う商品に加え、漫画や小説、児童書、雑誌など約4千タイトルを取りそろえ、地域住民の利便性向上を図る。舟橋貴之町長に町内の児童から「本屋がほしい」との手紙が届いたことが開業の契機となった。

 ローソン(東京)は全国で書店併設店舗を展開しており、立山町は30店舗目となる。町では2015年に町内唯一の書店がなくなった。22年に書店出店者を募ったが申請はなく、昨年3月ローソンと連携協定を結び、出店が決まった。

 店舗は日本出版販売(東京)と連携し、7千〜7500冊の本を販売する。売り場面積230平方メートルで、このうち書店部分は59平方メートルとなる。木造で、県産の立山スギを使用している。地域住民が交流できるコミュニティスペースを備え、今後、町のサテライトオフィス誘致や移住・定住支援の相談会や説明会を開催する。

 26日は午前8時のオープンから多くの町民が訪れ、食品や書籍を買い求めた。舟橋町長おすすめ本のコーナーも設けられた。

 会社員の中村周平さん(41)は小説を購入し「すごく楽しみにしていた」と笑顔を見せ、富沢紀美子さん(74)は「本屋ができたことが一番うれしい。これまで本が欲しいときは富山市まで行かないといけなくて、不便だった」と話した。27日からの営業時間は午前6時〜午後10時。