●判じ絵に能登半島描く

 17、18日に行われる富山市の岩瀬曳山車(ひきやま)祭は参勤交代ルートの宿場町だった縁から、能登半島地震の被災者に寄り添い、巡行することが決まった。曳山車の飾り「たてもん」の判じ絵は能登半島の図柄にしたり、「加賀藩震災早期復興を願いたい」などのメッセージを込めたりする。「けんか山車(やま)」で知られる荒々しい祭りを通常開催し、加賀藩のつながりで富山、石川県民を元気づける。

 「たてもん」に描かれる判じ絵には、世相や流行を表した言葉が絵や飾りに置き換えて表現されている。岩瀬曳山車祭実行委員会によると、今年は能登半島地震を受けて全11町のうち、6町が判じ絵に震災復興のメッセージを込めた。他の5町は判じ絵には直接表現しないが復興を願いながら町内を練る。

 「がんばろう北陸・のと 早期復興を願う」という題名にしたのは永割(ながわり)の曳山車だ。能登半島を背景に、人気漫画「ドラゴンボール」の願いをかなえてくれるキャラクター「神龍(シェンロン)」を描いている。ダルマに「復興」と記し、花札はススキと松で「草木(早期)」とした。

 港町の題名は「加賀藩震災早期復興を願いたい」。梅鉢紋の模様に「加賀藩復興」の言葉を添え、不死鳥とタイの飾りを配置した。花札は8月の「盆」と9月の「菊」を並べて「はやく」と語呂を合わせ、早期復興を願う思いを表現した。

 岩瀬曳山車祭実行委員会によると、岩瀬地区では能登半島地震による建物の損壊などの被害はほとんどなく、各町が保管している曳山車も無事だった。古市剛士委員長は富山や石川で祭りの中止や規模縮小が相次いでいるとして、「いつも通り開催できることに感謝している。被災地の復興を願いながら盛り上げたい」と成功を期した。