絵画や骨とう品のみならず、世の中には変わったものを集めたがる人々がいる...田中俊行もその一人。オカルトコレクターの異名を持つ田中は、普通であれば近寄ることさえしたくない不気味な噂のある人形など、いわく付きの品々を蒐集している。

MONDO TVで放送中の「田中俊行のオカルト・コレクション」では、オカルトコレクター田中が同じ趣味を持つ方々をゲストに迎え、互いの秘蔵コレクションをネタに言い伝えや噂話を語り合う対談番組だ。

11月8日(水)の放送で紹介するオカルトコレクションは、「怪談にまつわる人形」。ある少女のために作家が作ったものだという小さな人形があった古民家は、数人の死と関係して様々な怪奇現象が起こるのだという...。そしてゲストは拷問器具収集家のヌガザカ。手始めに拷問器具の4番バッター的な存在だという「苦悩の梨」を紹介。さらに今回は、拷問器具以外でコレクションしているというミリタリーグッズからいわくつきの物を紹介する。

今回は、収録を終えた田中俊行にインタビューを敢行。番組のみどころや呪物収集の注意事項について語ってもらった。

相棒のチャーミーと田中俊行
相棒のチャーミーと田中俊行

――番組収録の終わった#8〜#11のうち、印象的なシーンがありましたら教えてください

「#10のゲスト、怪談作家の田辺青蛙さんが持っている"イベントで声を発した市松人形"が関西では結構有名で、オールナイトの怪談イベントとかで、ほんまに9割ぐらいのお客さんがその声を聞いてるんですよ。古い市松人形は『息してんちゃうか』って、頭にナイロン袋を被せるんですけど、その袋が動くらしいんですよ。まるで息してるかのように動くし、記録用の動画を倍速で観ると、人形が動くんですよ。そういういわく付きのヤバい人形を持ってるのが印象的でしたね」

――その市松人形は、界隈では有名だったんですか?

「界隈では有名でしたね。まず界隈が狭いんですよね(笑)。オークションとかも大体知っている人が競り合うんです。僕と都市ボーイズのはやせ(やすひろ)君か相蘇(敬介)さんか由乃夢朗さんっていうメンツで...アカウントは一部隠されているんですが、大体わかります!情報交換しようねってみんなに言うんですけど、情報交換はしないです。(自分が)手に入れたいので」

――#8〜11で登場する呪物で、これ欲しいなっていうものはありますか?

「田辺さんの"イベントで声を発した人形"っていうのは欲しいなとは思います。#8の拷問コレクターのヌガザカさんは、世界中から当時使われていた拷問器具とミリタリーグッズを集めているんです。その中で"本当に戦争に行って、銃痕と血が付いているような軍服"を手にすると、怪奇現象が起こったりするエピソードがあるんですよ。本来、ヌガザカさんは呪物を集めているのではないんですけど、偶発的にリンクしてっていうのが結構リアルでして...呪物というよりはいわく物になるんですが、それは興味深いですね」

――この番組ならではという、見どころを教えてください

「『田中俊行のオカルト・コレクション』では、他で発表していない呪物を、先に発表している。面白いのが、呪物コレクターじゃない人がゲストとして登場してる。やっぱり、オカルトとか怪談集めてる人って、1つ2つぐらい持ってるんですよ。ゲストが持っているものはなかなか見れないので、ここでしか見れないんじゃないかなって思います」

――「呪物収集家」とは何か、集めるきっかけなどもご紹介をお願いします

「"呪物"ってイメージ的には怖いとか、呪いとか悪いものって感じなんですけど、詳しく言うと、呪術崇拝している人たちが崇めているもので、人間には及ばない特別な力が宿ったと信じられているもので、良い悪いはあんまり関係なくて、人間に覚悟をもたらせるもの。(徳も来るし、災いも来るみたいな)呪物の考え方って色々あると思うんですけど、基本的にいわくものみたいな人形に魂が乗り移ったみたいなものは呪物とは言わないです。呪物って言うのは、呪術師って人がいて、相談を受けたりして呪術をかけて精霊とか神様を宿したりするので。"アニミズム"とか、アフリカとかの精霊信仰とかも繋がりが色濃いと思います。皆さんが思っているような動く日本人形は僕的には呪物ではないです。僕が集めているのは、基本は呪物師が関わっているものですね」

――では、相棒のチャーミー人形は?

「チャーミーは違います。チャーミーは全然わからない魂が入って、災いを起こすって言うんですけど...あれ、よくわからなくなってきたな。自分で買ったり、譲ってもらうものは、呪術師が呪術をかけたものをベースには集めています」

――田中さんのチャーミーをご存知でない方へ紹介をお願いいたします

「チャーミーは僕が呪物集めるきっかけになった人形です。それまで怪談ライブとかやってて、お客さんがいわくものを持ってきてくれて断り切れなかったんです。それらが家に集まってきてたんですけど、7〜8年ぐらい前にチャーミーを『預かってください』って来られ、家に持って帰った時に、ちょっとしたポルタ―ガイストが起こったんですよ。部屋の電気が点いたり消えたりがめちゃくちゃ激しくて止まんなかったんですよ。パソコンでメール見ようとしても、音声認識が立ち上がってアプリケーションが立ち上がらないんです。そこから、ものに念ってあるんかなって思ったんです。ちなみに、チャーミーって名前は僕が付けました。ちょうど大型台風(Trami)が来てて、その台風の名前から貰いました。怪談の一エピソードとして集めていたんですが、チャーミーきっかけでいわくものだとか、大きく括って呪物とされるものを調べて行くことによって、世界中に呪物って存在してるのがわかったんです。その土地の当時の呪物に対する人たちの思いとか願いとかカルチャーや歴史に出るんですよ。呪いとは別に、その辺にもハマっていくきっかけになりました」

――心霊体験をしたことがないからこそ収集されているのでは...?

「それはあるかもしれないですね。僕も懐疑的ではあるので、ほんまなんかって。幽霊をハッキリ見たことはないですね。これだけ物を集めたり怖い話を取材していると、偶然か勘違いかもしれないんですが不思議なことってあるんですよ。例えば、呪物を手に入れてから、その呪物が毎晩夢に出てくるとか。でも、それもプラシーボ効果かもしれない。怖いって思いこんでるんで、本当に呪いの影響かもしれない。はっきり観たことはないけど、白いもやとか足音とかは感じたことはあるので、見えないので信じてないからこそ、追い求めているっていうのはあると思います」

――すごい守護霊がついていらっしゃるんですかね?

「後ろに何がついてるのか観てもらったことがあるんですよ。鑑定士さんが鑑定時に首を傾げるんですよ。何がついてるんですかって訊くと、『見たことないめちゃくちゃデカい毛虫か芋虫がついてる』って言われて。『何でついてるんですか』って訊いてもらったら、『面白いって聞いたから』って。毛虫がどっかから噂を聞いて来てるんですよ。悪霊が取り憑いてるとかだったら、僕的には嬉しかったんですけどね...。でも、これ(毛虫)が変態するって言ってましたね。蝶になれば良いな」

――チャーミーが来てから、仕事の幅が凄い広がってらっしゃるんですね

「2年前まで兵庫県の実家でチャーミーと暮らしてたんですけど、チャーミーの方が忙しくなっちゃって。心霊番組とかにチャーミーだけ呼ばれて上京して、僕は呼ばれないとか...忙しくなりすぎて、チャーミーが帰ってこなくて、僕が追いかける形で上京しました。チャーミーのおかげで、今は東京で仕事できるようになって、結果的に福をもたらしてくれました。チャーミーは元々は可愛がられるために生まれて、それが嫌われて。もう一度『可愛い可愛い』ってみんなが言ってくれて喜んでるんじゃないかなって思います」

――チャーミーとのすごい奇跡的な縁ですね

「そうなんですよ。さっきもチャーミーに操られているって言ったんですけど、後を追いかけて僕が上京したり、呪物収集もすごい加速してるんですよ。だから、チャーミーが仲間を集めてるんじゃないかって...」

――実家で呪物収集していた時は、家族に嫌がられることはなかったですか?

「めちゃくちゃ嫌がってました!(笑)」

――田中さんのファンは女性が多いと思いうのですが、ご自身ではどう思われていますか?

「自分でも(女性率が高いな)とは感じてますよ。昔はおっさんが多かったんですよ。おっさん帰って来い!とは言え、女性の方がオカルト好きなんかなって思ってます。実は呪物を集めるにあたって、タイ語でお守りの入れ墨を背中に入れたんです。後でタイ語のわかる友達に見せたら、『お前、これホステスが彫るやつやぞ』って言われて。異性人気が出るやつだったみたいで、それが効いてるんでしょうね」

――最後に番組をご覧になる皆様へメッセージをお願いいたします

「オカルトファンや怖い話好きな方はもちろんのことなんですが、全然興味がなかった人でも番組を観てもらえたら、日本のものだけではなく世界中の呪物がどういう経緯で呪物になったとか、その背景を紹介しているので、世界が広がると思います。本当に観てもらったら本当に面白いと思いますので、是非見てください!」

文=HOMINIS編集部

放送情報

田中俊行のオカルト・コレクション
放送日時:2023年11月8日(水) 23:30〜
チャンネル:MONDO TV
※放送スケジュールは変更となる場合があります

最新の放送情報はスカパー!公式サイトへ