赤ちゃんや小さなお子さんは、ふとしたきっかけで、機嫌が悪くなってしまうことがありますよね。
もしそれが、電車やバスの中だったら…。

今回はそんな困った状況の中で出会った素敵な夫婦のお話を紹介します。

転がったおもちゃさえ拾えない状況で…

チカさん(仮名)が生後半年の息子さんを連れて電車に乗ったときのことです。
チカさんは、以前車内で息子さんがぐずってしまい、周りの人から迷惑そうにされてしまった思い出から、電車でのお出かけを苦手としていました。

大きなバッグに、お気に入りのおもちゃや絵本、飲み物などたくさんのものを入れて事前準備をしっかりして乗車。今回は1時間ほど電車に乗る予定で出発したチカさん。

しかし、30分ほど過ぎた頃からだんだん息子さんのご機嫌が悪くなり始め…。
チカさんは用意してきたおもちゃで息子さんをあやしながら、必死に泣き止ませようとしました。
しかし、ついに息子さんは手に持っていたおもちゃを投げてしまいました。

チカさんは息子さんをあやしつつ、足でベビーカーを押さえながらおもちゃを拾おうと手を伸ばしましたが届きません。足を離せばベビーカーは大きなバッグの重みでズルズルと動いてしまいます。

途方に暮れ困っていた時、隣に座っていた年配の男性が立ち上がっておもちゃを取ってきてくれたのです。
その上「そのまま渡すのはダメよ。床に落ちちゃったんだから、除菌しましょう」と、奥様と思われるご婦人がわざわざ除菌シートでおもちゃを拭いて渡してくれました。
そして「子どもは泣くのが仕事だから。気にしないでね」と笑顔で子どもの相手をしてくれたのです。

チカさんがお礼を伝えると、
「うちにも同じぐらいの娘が育児をしていて、孫もいますから。大変なのは分かりますよ」と暖かい言葉をかけてくれました。
優しいご夫婦のおかげでチカさんと息子さんは、目的地まで楽しみながら過ごすことができたのです。

苦手だった電車でのお出かけが一変

この時のお話をチカさんに聞きました。

ー助けてもらったときどのように感じましたか。
普通、同じぐらいの娘さんがいるとしても、私は他人のはずです。それなのにとても優しくしていただいて本当に感謝しかありませんでした。

ー子育てならではの大変さを感じることを教えてください。
とにかく荷物が多くなります。お着替え、お茶、ご飯、すごい量です。
電車に乗るときは特に長いので、プラスしておもちゃ、絵本なども持っていくようにしています。それぐらいしないと、ずっとベビーカーで座り続けさせているのは本当に大変な事です。あとは、出かける前にちゃんと授乳して、電車の中で眠ってもらえるようになどの工夫もするようにしています。
お昼寝の時間と重なりちょうど寝てくれることもありますが毎回とはなりません。

ー同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
泣いている子どもに厳しい視線を感じる事もありますが、優しい対応をしてくださる方も確実にいます。気後れすることなく、ポジティブな気持ちで子どもを連れていろんなところに行くことは良いことだと思います。

人の優しさを実感し私も困っているママを見たら助けようと誓いました。と力強くおっしゃっていたチカさん。

子育てをしていると、見ず知らずの人に助けてもらったり、世代の違う人との出会いがあったりすることも。
小さいお子さんを連れてのお出かけは大変なことも多いですが、新しい経験や素敵な気づきに出会えるチャンスにもなります。
周囲の大人たちもあたたかい心で子どもを見守り、時にはサポートする勇気を持ちたいですね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

ほ・とせなNEWS編集部