味と香りを頼りに日本酒を見極める茨城県きき酒選手権大会が15日、同県水戸市五軒町1丁目の県酒造会館で開かれた。日本酒愛好家ら33人が利き酒に挑戦し、同市、会社員、富樫達識さん(36)が優勝した。上位2人は11月9日に東京都内で開かれる全国大会に出場する。

県酒造組合(浦里浩司会長)が主催で42回目。日本酒を味わいながらその奥深さを広めるのが狙い。例年は新酒を振る舞うイベントなどに併せて実施している。

県内の酒蔵が出品した純米酒と本醸造の計五つ用意し、銘柄などが分からない状態で2回に分けて飲み比べ。参加者自身が好みの順に点数をつけ、二つの結果をマッチングさせて、その正確性を競った。これまでは大吟醸、原酒など品質が異なる種類の判別を審査していたが、全国大会の入賞者を出そうと難易度を上げたという。

参加者は1回につき5分の制限時間内で、色合いや透明度を見たり、口に含んだ際の香りの特徴や後味などの違いを感じ取ったりしていた。上位は接戦となり、プレーオフの結果、富樫さんの優勝と水戸市、会社員、田代智也さん(31)の準優勝が決まった。

5年前に続く2度目の優勝を果たした富樫さんは「満点を取れなかったのが悔しい。全国では体調を整え、入賞を果たしたい」と意欲を語った。同組合の藤村俊文副会長は「利き酒大会を通じて茨城県産の日本酒のおいしさと魅力に関心を持ってもらえたらうれしい」と話した。