値上げとともに賃上げも話題となる昨今、新卒初任給はどのように推移しているのか。帝国データバンクが調査結果を発表し、2024年度の新卒初任給について「20万〜24万円」(57.4%)と回答した企業が最も多かった。一方、20万円未満の企業は35.2%だった。

 24年4月の正社員給与が、前年同月からどう変化したかについて「賃上げする/した」と回答した企業の割合は77.0%だった。「賃上げする/した」と回答した企業の内訳を見ると「3%増」(22.0%)が最も多く「5%増」(15.0%)、「2%増」(12.4%)が続いた。連合の目標である5%以上の賃上げ率を実現した企業は26.5%にとどまった。

 「賃上げする/した」と回答した企業を規模別に見ると「大企業」では77.7%、「中小企業」では77.0%とほぼ同水準。一方で「小規模企業」は65.2%と、全体(77.0%)を11.8ポイント下回った。資金的余裕が少ない中小企業からは「売り上げが上がっていない中での賃上げは、中小企業にとってかなり厳しい」など、厳しい声が寄せられた。

 24年度の新卒採用状況について「採用あり」と回答した企業は45.3%で、「採用なし」は53.1%。規模別では「採用あり」と回答した大企業は76.2%で、全体を約30ポイント上回る一方「中小企業」(40.9%)と「小規模企業」(23.7%)は全体を下回った。

 4月5〜15日に、1050社を対象として調査した。