愛媛県東温市出身の彫刻家、池川敏幸の作品を紹介する展覧会が、松山市内のギャラリーで開かれています。

ミウラート・ヴィレッジで現在、開催中の「池川敏幸展〜素心のかたち」。
東温市出身で美術教育者、彫刻家として活躍した池川敏幸の三回忌にあわせて開かれています。

会場には池川が香川大学教育学部で教鞭を執っていた1961年から亡くなる2年前の2020年までの彫刻作品46点が展示されています。

こちらは、自動車の部品など鉄の廃材を溶接し積み上げた作品で、高度経済成長期の制作当時工業が発展する様子を見ることなく戦争で亡くなった仲間に思いをはせ作られたといいます。

一方こちらは、2000年前後に制作された池川の集大成ともいえる保っている作品群で、何層にも重ねた木とステンレスが合わさり絶妙なバランスを保っています。
なかでも「かたぐるまの記憶」は幼少期に父親に肩車をしてもらった思い出を表現しています。

時代や使う素材が変わっても池川が生涯追い求めた「素心」
素直な澄んだ心のかたちが魅力です。

「池川敏幸展〜素心のかたち」は8月4日まで松山市のミウラート・ヴィレッジで開かれ、最終日には池川の息子で彫刻家の直さんによる作品解説イベントも予定されています。