岩手県釜石市は、妊産婦が定期健診で通院する際の交通費について助成額の上限を撤廃する。1人当たりの上限は5万円(ハイリスク妊婦は10万円)だが、県立釜石病院で健診の受け入れを1月末から休止しているため支援を強化する。県立大船渡病院だけでなく、盛岡近郊への通院を含めて全額を支給する。

 助成額は自家用車で通院した場合、大船渡病院が1回当たり3千円、岩手医大付属病院(矢巾町)や県立中央病院(盛岡市)が5千円など。タクシーを使った場合は領収書の提出で全額を助成する。出産後6カ月以内の申請で、まとめて支給する。定期健診以外の通院は自己負担となる。

 県医療局によると、釜石病院は大船渡病院から産科医1人の派遣を受けて妊娠32週未満の妊婦健診に対応してきた。だが、大船渡病院の産科常勤医6人のうち2人が休暇に入り従来通りの派遣が難しくなったため、1月30日から新たな妊婦健診の受け入れを中止している。現時点で健診再開のめどは立っていない。