【東京支社】東日本大震災の風化防止に向け、東北に思いを寄せる「きっかけ食堂」の活動が今月、開始から10年を迎えた。毎月11日、岩手県などの食材を使った料理や地酒を味わってもらい、被災地について考える機会を提供してきた。震災から13年2カ月。交流の場ともなり、都内をはじめ全国各地に人の輪が広がっている。

 東京・赤坂の「東北カフェ&ダイニング トレジオンポート」。7日は10周年記念の企画としてメンバーが一日店長を務め、来店者との会話に花を咲かせた。本県産のたらフライや宮古市川井地区特産の「川井赤しそ」が香るサワーなど特別メニューも提供し、魅力を共有した。

 きっかけ食堂は2014年に京都でスタート。高校時代に被災地支援に通った代表理事の原田奈実さん(29)=千葉県市川市=が中心となり、立命館大の学生たちで立ち上げた。