盛岡市内の全映画館は、聴覚障害者や高齢者向けに、タブレット端末に字幕を表示できるアプリを導入している。スクリーン上に表示されていたせりふや音が、手元の端末で確認できるようになり、鑑賞できる作品の幅が広がった。改正障害者差別解消法が4月に施行される中、健常者と障害者が同じ空間で映画を楽しむ環境づくりが進んでいる。

 盛岡市大通の映画館、フォーラム盛岡では3月、せりふや音を文字情報で伝える「バリアフリー字幕」を表示できるアプリ「UDCast」を導入した。希望者はアプリを使用できる専用タブレット端末を劇場で借り、席の前にスタンドで固定。タブレットとスクリーンを見ながら鑑賞する。

 アプリは映像のバリアフリー化に取り組む企業「Palabra」(パラブラ、東京都)が開発。盛岡中央映画劇場、盛岡ルミエール、盛岡ピカデリーでも昨年から取り入れ、市内全4館での設置が実現した。

 専用タブレットは各映画館に2台前後で、対応作品は各館に確認が必要。