大谷翔平選手(29)が結婚を発表。韓国遠征に旅立つ3月15日にツーショットを公開し、お相手は元バスケットボール選手の田中真美子さん(27)だと判明した。

祝福の嵐から一転、開幕戦後に盟友・水原一平通訳(39)の違法賭博への関与が発覚。4月12日、水原容疑者は銀行詐欺の容疑で米連邦地検から訴追され、大谷の被害額は総額1千600万ドル(約24億5千万円)を超えた。

真美子さんとの出会い、結婚。一平の裏切り……大谷翔平の人生を激変させた3年間をたどる。

’23年シーズン、大谷はWBCの疲れを感じさせず、投打に獅子奮迅の活躍を見せ、8月10日にはメジャー史上初の「10勝、40本塁打」を達成。二刀流の元祖ともいえるベーブ・ルースを超える偉大な記録を打ち立てた。

しかし、24日に右肘内側側副靱帯を損傷。9月5日には右脇腹を痛め、以降は戦列から離れた。20日には右肘の手術を受けた。

それでも、メジャーで日本人初のホームラン王を獲得し、メジャー史上初となる2度目の“満票MVP”にも輝いた。リモートでの受賞会見では愛犬デコピンを抱え、大きな話題にもなった。

「真美子さんも小学生のころから『ガク』という犬を飼っていた。3年前、その愛犬が死んだときは憔悴していました。2人には犬好きという共通点もあったんです。

大谷さんと出会ってから、遠距離恋愛で愛を育んでいましたが、さすがにケガのときは急いでLAへ駆けつけていました」(前出・実業団時代の知人)

だが、同じこの時期、賭博の胴元は水原容疑者にこんなメッセージを送っていた。

《やあ、イッピー。今、金曜日の2時だよ。なぜ電話に出ないんだ? 今、ニューポート・ビーチにいるんだけど、大谷が犬の散歩をしているよ。彼に話しかけて、どうしたら君と連絡が取れるか聞いてみようか。すぐに電話をくれ》

取り立てに追われる水原容疑者は大谷の銀行口座から大金を盗み続けながら、素知らぬ顔で世界一の選手と毎日接していたのだ。

「『基本的に人に相談することがあまりない』という大谷選手も、彼だけには絶大な信頼を寄せていた。

初めてMVPを獲得した3年前、帰国後の会見で『手術や苦難を乗り越えてきたときに、お世話になった人はいますか』と聞かれ、『お世話になったのはやっぱり一平さんじゃないですか』と答えていたくらいですから」(前出・友成氏)



■真美子さんの知人は「大谷選手は今回、彼女の笑顔と明るさに救われた」と証言

昨年12月10日、大谷はドジャースと総額7億ドル(約1千15億円)の10年契約を結んだ。そして、今年2月29日に結婚を発表。3月15日、開幕戦のため韓国に移動する際、航空機の前で女性と並ぶ写真を撮影し、公式インスタグラムにアップ。妻が真美子さんだと明らかになった。大谷は韓国でも人気が高く、どんな女性が妻になるのかと関心が高かったという。

韓国の経済紙『マネートゥデイ』のキム・ソヨン記者が語る。

「フィアンセが派手な容姿ではなく、予想外でした。韓国では『芸能人ではなく、質素な人を選んだ大谷選手はさすがだ』という意見が大半を占めています。ソウル入りした後のドジャースの夕食会で、真美子夫人がリーズナブルなカバンを持っていましたよね。これが大きな話題となりました。

誠実に節約する姿、夫を大切にする気持ちが韓国人の心を打ったようです。大谷選手はとてもよい方と結婚をされたと感じています」

開幕戦での球場内での行動も真美子さんの株を上げた。

「奥さまはVIP席ではなく、一般席に座りましたよね。その素朴さ、謙虚さが韓国人にもとても好感を与えました。彼女からは特権意識を感じない。SNSで踊っている動画も評判を呼び、『性格もよさそう』と言われています。

大谷選手もインスタグラムに韓国語で『試合を見に来てください』と投稿しており、ファンを大事にしてくれていると感じました。今回の遠征で、韓国のファンはさらに増えたと思います」(キム記者)

大フィーバーのさなか、水原容疑者が違法賭博の常習者で、大谷の銀行口座から送金していたと明らかになった。その夜、彼は大谷に多額の借金を「肩代わりした」と口裏を合わせるように懇願。もちろん大谷は断固として拒否。これが、2人での最後の会話となったのだ。

“世界一の裏切り”が判明した翌日、真美子さんは高尺スカイドームの観客席でドジャース選手の夫人たちと笑顔で交流を図っていた。ソウルをたつ空港でも、一切暗い表情を見せなかった。

「彼女は責任感が強く、思いやりのある人なので、大谷選手のために何ができるかを常に考えているはずです。おとなしそうに見えますが、明るい性格です。友達の中ではムードメーカー的な存在でした。

カラオケに行くとタンバリンをたたいて場を盛り上げたり、アップテンポの歌を歌ったりして、輪の中心にいました。今回、気持ちが落ち込んでしまう大事件に巻き込まれたなかで、大谷選手は彼女の笑顔と明るさに救われたかもしれません」(前出・実業団時代の知人)

真美子さんの謙虚さは内面からも読み取れる。選手時代、入団後3年間の思いをこう吐露していた。

《周りはもうみんなすごい選手ばかりで、言われたことをできることが当たり前のレベルなんです。(中略)どんどんどんどん自信もなくなってくるし、今まで得意だったシュートも入らなくなるし……。すべてがマイナスに向いて、シュート1本外すだけでも気持ちが下がっていました》(’23年2月28日配信/富士通レッドウェーブ 公式note)

このような苦渋を味わったからこそ、同じスポーツ選手として、奈落に落ちた大谷の気持ちにも寄り添えたのだろう。高木氏が語る。

「真美子さんはスポーツにおけるメンタルの重要性は十分理解しているし、大谷の苦しさを紛らわすために話を聞いてあげられる。それが、今回の切り替えの早さにつながった面もあるでしょう」

全ては水原容疑者の過ちで、大谷は完全な被害者だった。不調に陥っても、大谷は「メンタルを言い訳にしたくない。そこも含めて技術。ここまで結果が出なかったのは実力」と水原容疑者のせいにはしなかった。高木氏はほかの点でも、大谷に感心している。

「ドジャース入団後のパフォーマンスや振る舞いを見ると、いち早く“自分のチーム”にしてますよね。メジャーでホームラン王やMVPを取っているとはいえ、移籍1年目ですし、元をたどれば日本から来た“ヨソモノ”でもある。

その壁を越えて、何年もチームにいるような雰囲気にした。遠慮せずに、プレーしやすい環境を自分でつくった。同時に、自分が世界一に導くという責任感も漂っている」



■《一番楽しい瞬間は、苦しいことを乗り越えてきた仲間と一緒に喜ぶ瞬間》

大学、社会人でも野球を続けたが、プロになれなかった前出の山根さんは大谷に夢を託している。

「翔平は自分の好きなことを職業にできた一握りの人間です。僕も野球を続けたかったから本当にうらやましい。翔平は本当に野球が好きだし、野球のできる幸せを根底に感じているから、すぐに前を向いて活躍できたのだと思います。

これからも翔平らしく、何があっても周りを気にせず、ずっとプレーし続けてほしい。それが、僕ら同級生の夢でもあります」

くしくも、水原容疑者は3年前、大谷についてこう話していた。

《翔平はどんなマイナスの状況でも常に何かしらのプラスを生み出すというか、探している人なので。調子が悪い時もありましたが、それも本当に何か精神修行のような》(’21年12月24日配信/NHK WEB特集)

今後も真美子さんはデコピンと笑顔で大谷の試合を観戦し続けるだろう。そんな彼女のアスリートとしての愛あふれる人生訓がある。

《バスケットをやっていて一番楽しい瞬間は、苦しいことを乗り越えてきた仲間と一緒に試合をして、いいプレーができたときに一緒に喜ぶ瞬間》

“世界一の応援隊長”真美子さんの支えで想像を絶する苦難を乗り越えた大谷は、どんな重圧にも打ち勝てるはずだ。

「『チームのために頑張る』というスピリットを持つ2人は、家庭でもお互いを支え合うでしょう。本当に素敵な女性を選んだ大谷はメジャー史上6人目の40本塁打、40盗塁も十分可能です」(高木氏)

人生、何が起こるかわからない。しかし、谷が深ければ深いほど山頂は高くなる。巨額詐欺事件をも力に変えた大谷翔平がドジャースを世界一に導いた─今秋そう言える日が来るに違いない。

(取材:シリーズ人間班/文:岡野誠)