恋愛・婚活コンサルタントの田中亜依です。700万円の費用を投じた10年間の婚活で、600人以上の男性とデートを重ねた末に結婚しました。“本気の婚活経験”を活かし、年間1000人以上の男女の恋愛サポートを行ってきた筆者が、婚活に「リアルに役立つ情報」をお伝えします。
婚活の最終目的である「結婚」。その結婚の間近に、婚約破棄という形で目的を達成できなかったら、婚約破棄された方は相当ショックでしょう。今回は弁護士の内山悠太郎先生に、婚活・結婚にまつわる法律のお話を聞きました。
「結婚しようね」って言ってたのに……
![写真はイメージです(以下同じ)](https://joshi-spa.jp/wp-content/uploads/2023/07/AdobeStock_614635502-scaled-e1688334457204-585x389.jpeg)
「婚約破棄に関するご相談もありますね。例えば次のようなケースが、よくある事例ではないでしょうか。
『3〜4年付き合って2年ほど同棲もしていて、タイミングが来たら結婚しようという話もしていた。子どもが何人欲しいという話もしていたけれど、突然、交際相手に他に好きな人ができてしまったと別れを切り出された。婚約していたのに一方的に破棄されたから、交際相手に対して慰謝料を請求したい』」(内山悠太郎弁護士※以下、カギカッコ内同)
2人の結婚をどれだけ周りに示していたかが重要
――その場合は、別れたいと言い出した方が慰謝料を払うことになるんですか?「婚約破棄で慰謝料が認められるためのハードルは、意外に高いんです。『結婚しようね』と2人で言っているだけではダメなんです。結婚する日程が決まっていて、互いの親どうしの顔合わせも終わらせているとか、上司に結婚を報告しているといった段階まで進んでいないと難しいんです。婚約破棄として慰謝料を請求するためには、2人が結婚するということがどれだけ周りに示されていたかが重要です。
なので、カップル間で『結婚しよう』と言ったとか、プロポーズしたくらいだと、なかなか慰謝料の請求は認められません」
婚約指輪をもらっていても、認められない
――プロポーズが済んでいても難しいんですか? 婚約指輪をもらっていても難しいですか?![ケースにはいった婚約指輪](https://joshi-spa.jp/wp-content/uploads/2019/02/Fotolia_129169170_XS.jpg)
親同士の挨拶も、交際相手の親に挨拶に行ったとか、自分の親に交際相手が挨拶したというだけではなく、自分の親と相手の親が顔合わせをしているという段階でないと厳しいです。最近は付き合っている相手の実家へ気軽に遊びに行ったり、相手の親と飲みに行ったりする人たちもいますしね」
――となると、本当に結婚間近の段階まで進んでないと、婚約破棄に対する慰謝料の請求は認められないということになりますね。かなり厳しい……!
婚約破棄で多い理由は「浮気」
――ちなみに、婚約破棄をする側は、どんな理由から婚約破棄をする事例が多いですか?「浮気が多いのではないでしょうか」
![指輪を外す女性](https://joshi-spa.jp/wp-content/uploads/2024/06/AdobeStock_278748042-585x390.jpeg)
「基本的には、婚約破棄による慰謝料と同じになるため、婚約破棄の慰謝料と浮気の慰謝料を重ねて請求することはできません」
相手に金銭的な余裕があれば、高めの慰謝料で着地するケースも
――例えば、相手がお金に余裕がある人だったら、請求する慰謝料の金額は変わったりしますか?「法律上は相手方の資力は慰謝料の増額要素にはならないと思います。しかし実際の交渉においては、資力がある相手の方が訴訟を避けるために、通常より高めの金額で合意されているケースもあります」
――法律上通らなさそうでも、ダメ元で言ってみたら支払いに応じてもらえることもあるんですね。婚約相手が浮気して婚約破棄になった場合、浮気相手に対しても怒りの感情があると思うんです。その場合、交際相手だけでなく、浮気相手も訴えることはできるんでしょうか?
「そうですね、浮気相手も訴えることはできます。ただ結婚しているわけではないので、いわゆる内縁関係と同程度の関係であると認められる必要があるのと、交際相手に婚約者がいることを浮気相手が認識していない可能性もあるので、慰謝料の請求をするためのハードルは少し高いでしょう」
=======
婚活の目的でもある、結婚。それが手に入る寸前に白紙に戻ってしまう苦しみは、想像を絶することだと思います。この苦しみに対する慰謝料を支払ってほしいと思う人もいるでしょう。しかし、婚姻状態にない関係の慰謝料請求はなかなか難しいものだということがわかりました。
結婚という話が出たら、しっかりと親など周りの人たちに対するアクションを取りながら進めていくことと、お相手の気持ちや行動をしっかりと観察しておくことも大事かもしれません。
【弁護士 内山悠太郎】
東京スタートアップ法律事務所 宮崎支店支店長。趣味のサーフィンのために宮崎に移住。著書に『スタートアップの法務ガイド』、『スタートアップの人事労務ガイド』(ともに中央経済社刊)がある。
<取材・文/田中亜依>
【田中亜依】
恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。公式ホームページ/Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019