メルボルンのアルバートパーク・サーキットを舞台に開催されているF1第3戦オーストラリアGP。2日目のフリー走行3回目ではフェラーリのシャルル・ルクレールがトップタイムをマークした。RBの角田裕毅は11番手だった。

 グランプリ初日は晴天だったが、2日目は分厚い雲がサーキットの上を覆った。予選、決勝前最後のフリー走行となるFP3が開始される現地12時30分頃には気温18度、路面温度26度というコンディションだった。

 1時間のセッションが開始されると、マクラーレン勢やキック・ザウバー勢からコースイン。今回が母国戦となるマクラーレンのオスカー・ピアストリには詰めかけたファンから声援が送られた。

 セッション序盤はマシンやコースのチェック走行がメイン。レッドブル勢はマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスともに、初日からコンディションが大きく変化していることが関係しているのか、ブレーキが充分に機能していないとチームに訴えたが、そのままコース上で周回を重ねた。

 なお、グランプリ2日目以降は全19台の出走となっている。FP1で大クラッシュを喫したウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、マシンの修復が不可能となったことで僚友ローガン・サージェントのマシンに乗り継いでFP3以降に出走することとなり、マシンを明け渡したサージェントはこのFP3以降を欠場することを余儀なくされたのだ。そのアルボンもセッションが10分を過ぎた頃にコースへ入った。

 レッドブル勢やフェラーリ勢、FP2で走行できなかったアルボンがミディアムタイヤで走行する一方で、メルセデス勢はソフトタイヤでコースイン。マクラーレン勢はレースを見据えたタイヤの“皮むき”か、ハードタイヤ2セットをそれぞれ1周使った後、残り20分というところからソフトタイヤでの走行に切り替えた。アストンマーティン勢は、残っているミディアムタイヤとハードタイヤの全てを皮むき。キック・ザウバー勢もハードタイヤとミディアムタイヤをそれぞれ1セットずつ皮を剥いた。

 この頃から、アルピーヌ勢やハース勢、RB勢などもソフトタイヤでFP3の走行を開始した。

 セッション折り返し時点で、今回が復帰戦となるフェラーリのカルロス・サインツJr.が1分16秒791で暫定トップ。ミディアムタイヤを履くフェラーリ勢とレッドブル勢がソフトタイヤを使用した他チームを退け、トップ4を占める形となった。

 セッション終盤は、それまでミディアムのみを履いていたドライバーも含め、各車によるソフトタイヤでのタイムアタック合戦となった。

 路面の改善やフューエルエフェクト(燃料搭載量がペースに及ぼす影響)、低い路面温度も関係しているのか、FP3のコンディションではソフトタイヤでの計測を行なうごとにラップタイムが改善していく傾向が見られた。

 ルクレールは最後の最後で1分16秒714を記録してFP3最速。フェルスタッペンも最終盤の計測でペースを上げ、ルクレールから0.020秒遅れの2番手となった。3番手にはサインツJr.が並んだが、これはミディアムタイヤでのタイム。フェラーリとレッドブルが予選でポールポジションを争う可能性を感じさせた。

 4〜5番手のメルセデス勢以下、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、ペレス、ピアストリ、ランス・ストロール(アストンマーティン)、ランド・ノリス(マクラーレン)というトップ10だった。

 RBの角田はソフトタイヤ2セット目の計測1回目で1分17秒673をマーク。計測2回目では1分18秒028とタイムが伸び悩んだものの、11番手。FP1、FP2に続いてチームメイトのダニエル・リカルド(18番手)を上回った。

 この後はいよいよ予選の時間を迎える。