F1オーストラリアGPで、マクラーレンのランド・ノリスは、フェラーリ勢2台の後3位でチェッカーを受け、今季最初の表彰台登壇を果たした。

 ノリスはこのレースを振り返り、アンダーカットする戦略をとっていれば、フェラーリのシャルル・ルクレールを下して2位になれる可能性もあったと考えていることを明かした。

 ノリスは3番グリッドからオーストラリアGPの決勝レースをスタート。レース序盤、ノリスはルクレールの前のポジションをキープした。

 しかし9周目、ルクレールはアンダーカットを狙って早々にピットイン。マクラーレンもこの時動いたが、ピットに呼び込まれたのはノリスではなく、チームメイトのオスカー・ピアストリの方だった。

 これではポジションを落とすだけになってしまうことが確実なノリスは、すぐに反応してピットストップするのではなく、第1スティントを伸ばす戦略をとった。結局ノリスがピットインしたのは、14周目である。

 これによりノリスは、ルクレールとピアストリの先行を許すことになった。しかしノリスはピアストリの真後ろに追いつき、マクラーレンはノリスにルクレールを攻め立てさせるべく、チームオーダーを発令してピアストリにポジションを譲らせた。

 ただここでも先に動いたのはフェラーリの方。ルクレールは34周目に2度目のピットインを行ない、ノリスはその6周後の40周目に2度目のピットストップを消化した。

 最終スティントでもノリスはルクレールを追い詰めたが、最後まで攻略には至らず。結局フェラーリが1-2フィニッシュを達成し、ノリスは3位だった。

 ノリスはルクレール以上のペースを持っていたと確信しており、戦略次第では2位も十分に可能だったはずだと語った。

「レッドブルがいなくなったんだから、それは驚くようなことではなかっただろう」

 そうノリスは語った。

「この週末を通じて、僕らのペースは良かったと思う」

「昨日(土曜日)にはうまくまとめることができたし、金曜日には良いロングランペースを見せることができた」

「だから、チャンスがなかったとは言えない。今日、フェラーリと戦うことになるとは思わなかった。でも、僕らのペースはカルロス(サインツJr.)ほどではなかったけど、おそらくシャルルよりも良かったと思う」

「正直に言うと、今日僕らは2位になるチャンスを逃してしまったかもしれない。そう言えるのは僕らにとっては良い兆しであり、チーム全体にとってプラスになると思う。良い後押しになると思うよ」

 ノリス曰く、当初はルクレールがピットインした周回に2回目のピットストップを行ない、ルクレールをアンダーカットする予定だったと明かした。しかしマクラーレンは、素早く再計算することを強いられたという。

 その結果、タイヤの走行距離の差をつけるために6周ステイアウト。そのタイヤの性能差を活かして、コース上で勝負をつけようとしたのだった。ただ、結局攻略することはできなかった。

「選択肢は何も残っていなかったんだけど、僕らがアンダーカットしようとしていた周に、彼がピットに入ってしまった」

 そうノリスは語った。

「だからステイアウトすることにして、別の戦略を採る必要があった。第2スティントは僅差だったから、もしピットインできていれば、アンダーカットできたと思う」

「そのチャンスを逃してしまった。もう1周早く入っていたらどうなっただろうといつも考えるけど、その時にすべての決断を下すのは難しいことだ。同時に、簡単に間違った方向に進んでしまう可能性もある。いずれにしても、なんらかの結果が生じるはずだ」

「僕らは非常に良い仕事をしたと思う。チームとして3位と4位に入ったんだから、ポジティブでポイントもたっぷり獲れた。でもフェラーリは明らかに優れたチームであり、現時点では彼らの方が優れたマシンを持っている」