フェラーリのフレデリック・バスール代表は、虫垂炎の手術明けだったカルロス・サインツJr.がF1オーストラリアGPで勝利したことについて、誰も予想していなかったと語った。

 前戦サウジアラビアGPの2日目以降を欠場し、手術を受けたサインツJr.は、オーストラリアGP出場に向けて回復に専念した。ドライビングには支障がないほどフィジカルコンディションを戻したサインツJr.だったが、当然その間トレーニングはできず。シミュレータでオーストラリアGPに向けた予習をすることもできなかった。

 そんな状態にもかかわらず、サインツJr.は予選でチームメイトのシャルル・ルクレールを上回る2番手を確保。決勝ではトラブルを抱えたポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を早々にパスすると、その後は完璧なレースを展開。ルクレールと共にワンツーフィニッシュを飾った。

 サインツJr.のパフォーマンスを総括するよう求められたバスール代表は、次のようにmotorsport.comに語った。

「この冬、我々はシーズンの最後のラップまで共にプッシュすることを決意した」

「そして彼は素晴らしい仕事をした。バーレーンでもチームをプッシュしていた。ジェッダはカルロスにとってもチームにとってもタフな週末だった」

「だがそのリカバリーは素晴らしいものだった。2週間前、彼は病院にいた。金曜日でさえ、彼は100%運転できる確信がなかったと思う」

「数周走り、彼はペースに乗った。それが成功の一部だった。パフォーマンスを発揮するためには、1周も無駄にできないんだ」

「アメイジングだよ。今日のような結果は誰も予想していなかった」

 バスール代表は今回の結果について、サインツJr.がルクレールよりも特別優れていたわけではないと考えているようだ。

「我々が話しているのは、プラスマイナス0.5秒くらいの話だ」

「結果とペースは別のものだ。(ルクレールについて)レース中の問題は、序盤に(マクラーレンのオスカー)ピアストリをカバーしなければならなかったことだ。それはレースタイムという意味では、明らかに快適ではなかった」

「コース上でポジションを譲りたくなかったし、彼を厳しい状況に追い込んでしまった。でも最後のスティントでは、彼はハードのデグラデーションについてより深く理解していて、とても安定した走りができた」