F1オーストラリアGPではフェラーリのカルロス・サインツJr.が虫垂炎からの復帰戦で勝利。優れたパフォーマンスに、レッドブルもドライバー候補として排除できなくなっている可能性がある。

 サインツJr.は第2戦サウジアラビアGPで虫垂炎の手術が必要となり、2日目以降を欠場。2週間後のオーストラリアGPで早くも復帰してきたが、手術を受けたばかりとは思えない競争力のある姿を見せた。

 そんなサインツJr.は、2024年シーズン限りでフェラーリのシートを失うことが決定しているため、ドライバー市場で注目の人材となっている。

 そしてレッドブルは2025年にセルジオ・ペレスを継続起用するのか、それとも育成ドライバーの角田裕毅やリアム・ローソン、そしてベテランのダニエル・リカルドを起用するのかどうかが注目されている。

 だがレッドブルのドライバー候補には現アストンマーティンのフェルナンド・アロンソも入っているのではないかという噂もある。そして今回勝利したサインツJr.もレッドブルの候補になるのではないか? そういった憶測も当然生まれている。

 そしてクリスチャン・ホーナー代表はといえば、レッドブルが自社系以外のドライバープールにも目を向けるつもりだと、これまででも最も強い示唆をしている。

「レッドブル・レーシングとして、できる限り最強のコンビを組みたいと思うし、時には外部にも目を向ける必要がある」

 ホーナー代表はそう語った。

「今日のレースでは、シート喪失が決まっているドライバーが非常に速く、そして勝利した。ドライバー市場はあるドライバーに対し、それなりに流動性があるんだ」

 そしてホーナー代表は今回素晴らしい走りを見せ、レッドブル出身でもあるサインツJr.を引き戻す可能性について問われたとき、次のように答えた。

「ああいったパフォーマンスを見る限り、どのような可能性も排除することはできない。そのため、(決定には)時間をかけたいとだけ思っている」

「今日のチェコ(ペレス)は明らかに妥協を強いられていた。彼は今シーズン素晴らしいスタートを切っているため、我々は必死になって急いでいるわけではない」

「カルロスは昨年もレッドブルを倒した唯一のドライバーだった。つまり、彼は我々の宿敵のようだね」

 なおサインツJr.自身は、オーストラリアGPの走りで自らの価値が高まったかどうかはわからないと語っている。

「どうだろうね。たしかに、悪影響は無いだろう。それは間違いない。僕はまだ来年の仕事が決まっていないから、これが助けになってくれればいいね」とサインツJr.は言う。

「多かれ少なかれ、僕に何ができるかはみんなが知っていると思う」

「僕はチーム代表や人々に対して自分の価値を証明するためにレースをしているんじゃない。クルマがあれば、僕はやれるし、上位に入れるということを自分自身に示すためにやっている。それが僕のメンタリティかつ僕のアプローチだ。残りのシーズンもそうやって行くつもりだよ」