3月30日、2023-2024年シーズンのフォーミュラE第5戦、東京E-Prixの予選が行なわれた。日本初開催となったレースでポールポジションを獲得したのはオリバー・ローランド（日産）だった。

　電動のフォーミュラカーによって争われる世界選手権、フォーミュラE。シリーズとしても待望だった日本開催がついに実現した。舞台は東京都江東区にある東京ビッグサイト周辺で、同施設の敷地内や周辺の公道を使用して行なわれる。前日のシェイクダウン走行はウエットコンディションとなり、同日のフリー走行1回目、そして予選前のフリー走行2回目でもメインストレートなどは濡れており、この予選が実質的に初の完全ドライセッションとなった。

　予選方式は、まず2組に分かれてタイムアタックを行ない、各組の上位4名が、1対1のトーナメント形式で対決する“デュエル”に進出し、その“決勝戦”でポールポジションを決するという方式だ。

　まずポイントリーダーのニック・キャシディ（ジャガー）らが出走するグループAでは、フリー走行から好調をキープする日産のローランドが最速タイムをマーク。1分19秒658というタイムでトップ通過となった。エドアルド・モルタラ（マヒンドラ）、キャシディ、そして前年王者のジェイク・デニス（アンドレッティ）までがデュエル進出ラインに入ったが、キャシディは技術規定違反によりベストタイム抹消に。チームメイトのミッチ・エバンスが繰り上がりでデュエルに進む格好となった。

　続くグループBでは多くのマシンが1分19秒台のタイムをマークし、マキシミリアン・ギュンター（マセラティ）が1分19秒391でトップ通過。以下セルジオ・セッテ・カマラ（ERT）、ニコ・ミュラー（アブト・クプラ）、パスカル・ウェーレイン（ポルシェ）までがデュエル進出となった。一方で日産のサッシャ・フェネストラズはタイムが上がらず、同組10番手で敗退。決勝は後方からのスタートとなった。

　2台のマシンが時間差でアタックし、一発勝負のアタック合戦で勝敗を決めるデュエルがスタートした。まず準々決勝では、いずれもライバルを追走する側に回ったモルタラ、ローランド、セッテ・カマラ、ウェーレインが勝利。グループ予選で速いタイムを出したマシンが順当に準決勝に駒を進めた。

　準決勝最初の組み合わせは、ローランド対モルタラ。ローランドをモルタラが追いかける形となったが、ローランドが0.226秒上回り、ポールポジションをかけた戦いに回ることになった。ギュンターvsセッテ・カマラはセクター1でセッテ・カマラが大きく遅れて勝負あり。ギュンターがファイナルに進んだ。

　ローランドがホームレースでポールを獲得するか。ギュンターの今季初ポールか……デュエルのファイナルがスタートした。セクター1はローランド、セクター2はギュンターが速いという一進一退の攻防となったが、最終的にローランドがギュンターを0.021秒上回り、ポールポジションを獲得した。日産にとっては、初の母国レースの予選で見事ポールポジション獲得という結果を残した。