日産のオリバー・ローランドは、フォーミュラE第7戦ミサノE-Prix決勝のファイナルラップに首位で突入したが、電欠に見舞われスローダウン。これはオンボード・ラップカウンターの技術的な問題が原因だったと主張した。

 第6戦を2番手で終え、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)の失格により繰り上がり優勝となったローランド。翌日の第7戦でもレースを通して上位をキープしていた。

 残り5周のところでトップに浮上したローランドは後続を引き離しにかかり、最終的に優勝したパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)のみがそれを追った。

 ファイナルラップとなる26周目に入った時点で、ローランドのリードは1.3秒ほど。しかしローランドの後ろでスリップストリームを使いエネルギーマネジメントしていたウェーレインの方が、約2%多くバッテリーを残しているという状態だった。

 そしてそのバッテリー残量の違いが致命的な差となった。ローランドは残り半周のところで電欠となりスローダウン。チェッカーまでたどり着けず、17位(1周遅れの完走扱い)でレースを終えることになった。

 レース後、ローランドはラップカウンターに問題があったことが誤算の原因だったと語り、自身のエネルギー状況が厳しいということに、最後まで気付かなかったと明かした。

「自分がターン4に入ろうとしている時に、それ(ラップカウンター)が最終コーナーにいるはずだと示していた」

 そうローランドは説明する。

「(スタートの時に)誤ってカウントされないようにラップ・ゼロがあるはずなんだけど、どういうわけかスタートラインを通過した時にラップ・ゼロになってしまったんだ。それがミスにつながったんだと思う」

「コーナーでも速かった。僕は自分のターゲットに従い、作戦通りに走っていただけなんだ」

「こういうことは今まで一度もなかったし、今となってはシンプルなことだ。チェックすべきだったし、疑うべきだったかもしれない」

 前述したようにローランドはこの週末、2020年のベルリン以来となる勝利を手にした。4戦連続の表彰台獲得と安定した結果を残しポイントリーダーに浮上したものの、第7戦をノーポイントで終えたことにより9ポイントビハインドのランキング3番手でミサノを離れることになる。

「フラストレーションが溜まる。でも、もしこれが今季唯一勝利するチャンスだと感じていたら本当にがっかりしていただろうね。僕はまだまだチャンスがあると感じているんだ」

「ここまで獲得したポイントについてはポジティブだし、今後も良いはずだ」

「僕たちは圧倒的にアンダードッグ(不利)だから、楽しみながら、マシンを限界に近づけて、できる限りベストなレースをしていく」

「残念ながら、チャンピオンシップを勝ち取るためには、今日のようなことは許容できない。最大限の結果を残して、ポイントを積み上げなくちゃいけないんだ」

「僕たちはまだ若いチームだから、学ぶべきことがたくさんあるし、このようなミスも改善しなければならない。でも今年そのプロセスを経ていれば、来年同じミスはしないはずだ」