現在のF1は、最速レッドブル・レーシングに対して上位4チームが追いかけるという構図になっている。上位争いでしのぎを削るマクラーレンは、昨年からの開発ペースを今後1年継続できればレッドブルに追いつくことも可能だと考えている。

 2023年シーズンは開幕5戦でわずか14ポイントという厳しいスタートを切ったマクラーレンだったが、ステラ代表の指揮の下、大どんでん返しを成し遂げてみせた。シーズン中盤から大型アップデートをマシンに投入し、中団争いから一気に表彰台争いに加わるまでになった。

 そしてマクラーレンはこの開発ペースを2024年に引き継ぎ、開幕5戦を終えた段階で、メルセデスを上回りコンストラクターズランキング3番手につけている。

 ステラ代表は、この開発ペースを維持することが重要だと説明。そうすれば2025年にレッドブルと勝利を争うことも現実的に可能だと考えている。

「12ヵ月という期間を考えれば、全体として我々は誰よりも成長していると思う。レッドブルは昨年あまり成長しなかったと思う。それは明らかに(2024年に向けて)マシンを劇的に革新するため、裏でかなり多くの作業を行なっていたからだ」

「彼らのようにマシンを革新するためには、何ヵ月もかけて再設計する必要がある。彼らはこの作業をすべてやり、新マシンを発表した時には大きな一歩となった」

「見かけ上我々が離されたように見えても、それは彼らが成長していない間、我々が以前より接近していたからだ」

「だからこそ、長い目で物事を見る必要がある。長い目で見れば、我々は強力な軌道に乗っている。私としては、これはチーム内でも言っていることだが、今後12ヵ月で、この開発ペースを維持することができればどうだろう? レッドブルに到達できるかもしれない」


 マクラーレンはマイアミGPで一連の新パーツを投入する予定だが、昨シーズン中に導入された大型アップデートの規模にはならないと認めている。

 ただ、チームのシミュレーションとコース上での結果の間で正しい相関関係が保たれているとすれば、今回の新パーツ投入も「正しいステップ」になるとステラ代表は考えている。

「マイアミではいくつかのアップデートが予定されている。どのようなパフォーマンスになるか見てみよう。他チームと同様に、我々のファクトリーには多くのスタッフがいて、その全員が開発を進めることに集中している」とステラ代表は言う。

「コンスタントにマシンを改善すること。それがF1での本当の仕事だ。我々がやらなければならないことはそれだ」

「今回は、昨年オーストリアやシンガポールで行なったふたつのアップデートほど大きなモノではないが、それなりのステップになるはずだ」

「違いに気づくはずだ。風洞の数値やコンピューターシミュレーションなど、我々の予想通りであればね。過去12ヵ月間、この相関関係の的中率が良かったとはいえ、常にサプライズはあり得る」