現在レッドブルに所属するマックス・フェルスタッペンは、2025年以降移籍の可能性があるのではないかとして注目を集めている。メルセデスから巨額のオファーもあると言われているが、フェルスタッペンはお金は自身の去就を決める上での「差別化要素」にはならないと考えている。

 フェルスタッペンは2028年までの長期契約をレッドブルと結んでいるため、ドライバー市場でこれまで注目されることはなかった。しかし2024年シーズン開幕前にレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表の女性従業員に対する不適切行為疑惑が報道されると、状況は一変した。

 レッドブルはチーム内部で権力闘争の様相を呈しており、これをきっかけにフェルスタッペンが移籍する可能性が浮上してきた。彼はチームの主要な“柱”が維持されることがレッドブルの将来の鍵だと語ってきたが、先日技術責任者のエイドリアン・ニューウェイのチーム離脱が発表……重要人物がひとり抜けることになってしまった。

 ニューウェイの離脱はフェルスタッペンの将来にさらに疑問を抱かせるものだったが、今のところ彼は「外部から見たほど劇的ではない」とその影響を軽視しているようだ。

 一方でフェルスタッペンの獲得を狙っていることを公言しているメルセデスは、一部で年間1億5000万ユーロ(約246億)とも言われる超高額オファーを提示しているともされており、フェルスタッペンの将来がどうなるかは、ますます注目を集めている。

 しかしフェルスタッペンは巨額オファー自体は差別化要素になるわけではないと語っている。

 1億5000万ユーロのオファーの噂が真実かどうかについて訊かれたフェルスタッペンは、次のように語った。

「ノーだ。でも結局のところ、たとえそう(超高額オファーが来ていた)だったとしても、1億5000万ユーロでも……お金は僕がどこかへ行くための差別化要素にはならないよ」

「僕は既に稼いできたお金に満足しているから、重要なのはパフォーマンスだ」

 レッドブル内部の混乱は続いているとはいえ、フェルスタッペンが2024年に4連覇を成し遂げる可能性は非常に高いだろう。しかし仮に2025年にメルセデスへ移籍した場合、現在の各チームのパフォーマンスを考えれば、タイトルからは遠ざかることになるかもしれない。

「僕自身、5番手や6番手を走ることになれば、かなり不機嫌になってしまうだろうというのは分かっている」

「だから結局のところはパフォーマンスが常に大事なんだ。皆もそれは分かっていると思うし、トト(ウルフ/メルセデス代表)も知っている」

「現時点では、レッドブルに僕の将来がある」

 なおウルフ代表がドライバー候補としてフェルスタッペンのことを公然と語り続けていることについては、気にしていないという。

「奇妙だとかはないよ。誰もが楽観的で、物事に対して希望を持っているべきだと僕は思っているからね」

「でも今のところ僕が言えるのは、このプロジェクトの関係者全員を僕は信じていて、チームに残りたいと思っているということだ」

「でも結局のところ、スポーツだけではなく人生において、将来何が起こるのかは分からないことだ」