マイアミ・インターナショナル・オートドロームを舞台に2024年シーズンのF1第6戦マイアミGPが開幕。最初のセッションとなるフリー走行1回目ではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが最速タイムをマーク。RBの角田裕毅は8番手だった。

 F1は日本GP、中国GPのアジアラウンドを終えてアメリカ・フロリダに舞台を移した。中国GPに続いてマイアミGPもスプリントフォーマットでの開催。FP1は週末唯一のフリー走行となるため、各チーム、各ドライバーにとって非常に重要な、そして忙しいセッションとなった。

 金曜日の天候は晴れ。気温28度、路面温度48度とマイアミらしいコンディションの中、現地12時30分からFP1が開始された。

 ピットレーン出口のシグナルがグリーンに灯ると、各ドライバーが一斉にコースイン。この週末に向けてアップデートを投入しているチームも少なくなく、組み上げられたマシン、1年ぶりのコースのチェックを行なった。ただ、マクラーレンのランド・ノリスは走り始めから「正しくないように感じる」と語り、早々にガレージへマシンを戻した。その後も感触は良くない様子だった。

 FP1はマシンを試す貴重な1時間だったが、開始から10分と経たずにレッドフラッグが提示。フェラーリのシャルル・ルクレールがコース上でマシンを止めたのだ。

 ルクレールは低速セクションからバックストレートへと向かうターン16で180度スピン。幸いマシンにダメージはなく、ルクレールは走行再開を目指したが、ウォールに囲まれた狭いコースでの切り返しは難しくマシンを止めることを決めたようだ。

 ただ中断が長引くことなく、残り43分というところでFP1は再開。それまで使用していたミディアムタイヤやハードタイヤを履いて、19台がコースで精力的に走行を行なった。

 セッション折り返しの時点で路面温度は51度に上昇。ここではレッドブルのセルジオ・ペレスが1分29秒632で暫定トップタイムに立ち、メルセデスのルイス・ハミルトンが0.127秒差で続いた。

 ミディアムタイヤで1周の皮むきを行なったアストンマーティン勢を除き、各車はセッションが45分を過ぎるというところまで1セットで走行。ロングランプログラムもここで実施された。

 そして残りの時間ではソフトタイヤでの予選想定プログラムが実施され、まずはアルピーヌのピエール・ガスリーが1分29秒175の暫定トップタイムをマーク。その後、フェラーリのカルロス・サインツJr.やメルセデスのジョージ・ラッセルがトップタイムを更新していった。

 それらを上回ったのが、1分28秒868をマークしたレッドブルのセルジオ・ペレス。チームメイトのマックス・フェルスタッペンは上昇が止まらない路面温度に手を焼いたか、タイヤのオーバーヒートによるグリップ不足を訴えていた。

 ただそのフェルスタッペンはピットインを挟み、ユーズドのソフトタイヤで再度コースイン。するとペレスから0.273秒速い1分28秒595を叩き出して首位に立った。

 その後マクラーレンのオスカー・ピアストリやサインツJr.らがタイムを更新するもフェルスタッペンには届かず。フェルスタッペンがFP1最速でセッションを終えた。

 2番手にはフェルスタッペンから0.105秒差でピアストリ、3番手には0.116秒差でサインツJr.が続いた。

 多くのドライバーがソフトタイヤでセッション終盤のタイム出しを行なう中、興味深いのがRB勢のタイヤ選択。SQ1、SQ2でミディアムタイヤの使用が義務付けられるスプリント予選での着実な上位グリッド獲得を目指してか、ここでソフトタイヤではなくミディアムタイヤを使用した。

 ただそれでも角田が8番手、ダニエル・リカルドが11番手と、少なくとも1発の速さは持っていそうだ。

 RB勢の他にも、母国戦となるウイリアムズのローガン・サージェントがミディアムタイヤを終盤で使用。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは実質、ハードタイヤ1セットだけでFP1を終えた。

 スプリント予選は日本時間5月4日(土)5時30分から開始される。