マイアミ・インターナショナル・オートドロームを舞台に開催されているF1第6戦マイアミGP。大会2日目のスプリントではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝した。RBの角田裕毅は8位だった。

 前戦中国GPに続いてスプリントフォーマットでの開催となったマイアミGP。初日にはスプリント予選が行なわれ、フェルスタッペンがSQ3で最速タイムをマークし、フェラーリのシャルル・ルクレールと共にフロントロウに並んだ。

 一夜明け、迎えた大会2日目。そのルクレールはスプリントのダミーグリッドへ向かうためピットのファストレーンを走行中に、ガレージから出てきたアルピーヌのエステバン・オコンに当てられるというアクシデントに見舞われた。

 幸い、2台に大きなダメージはなく、オコンはフロントウイングを交換するだけで済んだようだ。ただオコンはメカニックの制止を無視する形でガレージからマシンを出して他車に接触したことから、アンセーフリリースとの裁定が下り、10秒のタイム加算ペナルティが科された。

 なお、キック・ザウバーのバルテリ・ボッタスはスプリント予選で他車のアタックを妨害したとして3グリッド降格で19番手。ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンはパルクフェルメ中にサスペンションを変更したため、ピットレーンスタートとなった。

 レース前から珍しいアクシデントが発生したものの、19台がグリッドへ。ほとんどのドライバーがミディアムタイヤを使用したが、後方15番手の角田裕毅(RB)と18番手のローガン・サージェント(ウイリアムズ)がソフトタイヤを履いた。

 気温29度、路面温度45度というコンディションの中、19周のスプリントがスタートした。

 ホールショットを獲得したのはフェルスタッペン。ルクレール、レッドブルのセルジオ・ペレスを交わしたRBのダニエル・リカルドが3番手に並んだ。

 その後ろではマクラーレンのランド・ノリスがターン1出口でストップ。メルセデスのルイス・ハミルトン、アストンマーティン勢が絡むオープニングコーナーでのポジション争いに巻き込まれる形で、アウト側にいたノリスがはじき出されたのだ。この混乱によって、ノリスだけでなく、アストンマーティンのランス・ストロールもリタイアとなった。

 レースはこのアクシデントによってセーフティカー出動となったが、4周目から再開。フェルスタッペンを先頭に各車がレーシングスピードへと戻っていった。

 トップの2台が抜け出す形となり、ペレスはリカルドを早々に料理して3番手に復帰。抜かれたリカルドはペレスに追いすがるも、9周目にもなると徐々に離され、フェラーリのカルロス・サインツJr.に攻め立てられた。しかしリカルドは、あの手この手で攻略を試みるサインツJr.に必死の抵抗。4番手を死守した。

 その後ろでは、スタート直後の混乱でポジションを上げたハースのケビン・マグヌッセンとハミルトンの8番手争いが白熱した。

 マグヌッセンは、ターン11のシケインをカットしてアドバンテージを得たとして10秒のタイム加算が科されながらも一歩も引かないディフェンスで、ハミルトンを抑え込み続けた。14周目には2台がターン11のブレーキングで“我慢比べ”を展開しオーバーラン! その間に、2台の後ろを走っていた角田がハミルトンを交わして9番手に浮上した。

 マグヌッセンはその後ポジションを落とし、角田が8番手に。ハミルトンが角田を追いかけた。

 各所で激しいバトルが展開される中、フェルスタッペンは首位を1度も譲ることなく最終ラップへ。そのままトップチェッカーを受けた。2位にはルクレール、3位にペレスが入った。

 4位にはサインツJr.の猛攻を守りきったリカルド。これで中団争いの中では貴重な5ポイントをチームに持ち帰った。

 5位サインツJr.以下はマクラーレンのオスカー・ピアストリ、ハースのニコ・ヒュルケンベルグ。ハミルトンは最終ラップのターン11で角田を交わして8番手でチェッカーを受けたが、レース後、ピットレーンでの速度超過によってドライブスルーペナルティが科された。

 これにより、ハミルトンは16位に転落。代わって角田が8位に繰り上がり、スプリントでの1ポイントを掴んだ。RBとしては嬉しいダブル入賞となった。

 なお、ハミルトンと激しいバトルを展開したマグヌッセンは最終的に、コース外でアドバンテージを得たことによる10秒のタイム加算が3回、加えてトラックリミット違反による5秒のタイム加算が1回と計35秒のタイムペナルティが科された。完走したドライバーの中では最下位の18位降着と、入賞したチームメイトのヒュルケンベルグとは明暗が分かれる結果となった。

 このあとは日本時間5時から本戦用の予選セッションが開始される。スプリントから予選までの間には一度パルクフェルメが解除され、各チームはマシンセットアップ変更が可能となる。スプリントイベントで得たデータから、各チームがどう改善してくるのか、こちらも注目だ。