F1マイアミGPの2日目に開催されたスプリント。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、メルセデスのルイス・ハミルトンにレースを“台無し”にされたと考えており、ハミルトンが審議対象になったとしても「スペイン人じゃないから」ペナルティの対象にはならないはずだと示唆した。

 舞台となったマイアミ・インターナショナル・オートドロームは、ホームストレート終わりのターン1でほぼ直角に曲がり、その後のS字に繋がるというコースレイアウト。レーススタート直後はターン1でマシンが詰まり、イン側に飛び込んだハミルトンとアロンソが接触……アロンソはサンドイッチ状態でチームメイトのランス・ストロールともヒットしており、さらにストロールはアウト側にいたマクラーレンのランド・ノリスにも当たった。

 結果的に計4台が絡むアクシデントとなり、ノリスとストロールがリタイアに追い込まれた。そしてアロンソもタイヤのパンクに見舞われ、ピットでのタイヤ交換により最後尾まで転落。19周と短いスプリントでは、アロンソをもってしても挽回は難しく、17位でのフィニッシュとなった。

 前戦中国GPのスプリントでは、フェラーリのカルロス・サインツJr.と接触してペナルティを科されたアロンソ。その裁定に依然納得できていない中臨んだマイアミGPだったが、今回の件でFIAがハミルトンを罰することはないだろうと示唆した。

 FIAがハミルトンに対して裁定を下す可能性について尋ねられたアロンソは、DAZNスペイン版に対して次のように答えた。

「彼らが何を決めるのか見てみよう。彼はスペイン人じゃないから、何も決定は行なわれないだろうね。でも彼は何人かのレースを台無しにしたと思う。特にノリスはとても速いマシンを手にしていたのに、あのインシデントでリタイアになった」

 またアロンソは、ここ数戦でペナルティが科せられていたことを念頭に置き、後方に下がってからはリスクを冒してオーバーテイクを仕掛けることは避けたかったと明かした。

「今回はペナルティを受けなかったかもしれないけど、僕はいつもペナルティを受けるんだ」とアロンソは言う。

「今回もそうだ。オコン(エステバン・オコン/アルピーヌ)の後ろにいて、リスクを冒してオーバーテイクすることができたかもしれないけど、論理的にはペナルティを避けるためにリスクを冒せなかった」

「だから19周のレースを乾燥して、チームに戻って(マシンセットアップの)変更点を話し合おうとしたんだ」

 なおアロンソは、今年からスプリントと本戦用の予選の間にマシンセットアップの変更が可能となったことで、スプリントが事実上のテストセッションになったと考えている。そして今回のマイアミGPでは、日曜日の決勝に向けたタイヤのデグラデーション(性能劣化)について理解を深めたと説明した。

「僕らはスプリントレースに興味がなかった」とアロンソは言う。

「日曜日のためにデグラデーションや色々なことをチェックするつもりだったし、最終的にはなんとかなった。僕らにとって、これはフリー走行であって、ちゃんとしたレースじゃないよ」

「これから予選、そして日曜日に57周のレースと、重要なパートが始まる。パルクフェルメが開放されている間に、スプリントから結論を導き出して、マシンを少しでも改善できるかどうか確認できると思う」