F1マイアミGPの予選で、メルセデスはジョージ・ラッセルが7番手、ルイス・ハミルトンが8番手と、マクラーレンの後塵を拝する結果となった。

 ラッセルは、今季マシンW15がある程度の進歩を遂げたと信じている一方で、直面している課題のいくつかは以前の問題への対処が行き過ぎた結果だと示唆している。

 メルセデスがレッドブルの後方集団から抜け出せない理由について、ラッセルは『Sky』に次のように語った。

「ストップウォッチは嘘をつかない」

「昨年末から行なったいくつかの変更によって、おそらく開発項目のいくつかが補われすぎてしまったことは承知している」

「今のクルマには限界があり、それは12ヵ月前の今頃とはまったく違う限界だ」

「問題を解決するために多くの作業を行なったが、その方向に進みすぎてしまった。だから、改善する必要があることは分かっているし、早く改善する必要があるんだ」

 ラッセルは、メルセデスがW15の何が問題なのかを理解しており、あとは状況を好転させるために新しいパーツを投入するだけだと信じている。

 チームはマシンを改善する方法を知っているかと尋ねられ、ラッセルは「ああ、僕たちはそのやり方を知っている」と答えた。

「データを見れば、なぜ今のポジションにいるのかがわかると思う。昨年もデータを見れば、なぜ同じポジションにいるのか理解できたし、残念ながら、昨年の問題を解決するために過剰に補正してしまったんだと思う」

「あの極端な状態からこの極端な状態になったのだから、巻き返しを図り、それを改善する必要がある」

「しかし開発やアップデートには8週間を要する。開幕戦や第2戦で問題を学んで、それに対するアップデートを次のレースに持ち込むことはできないんだ」

「誰かが設計して、誰かが製図して、誰かがパーツを作り、風洞にも入れなければいけない。それに今はシーズン中なんだ」

「だから後手に回っているときに、急に進歩するのは難しいんだ。誰もが明日にでもそれを欲しいと思っているけれど、それがF1のリアルなんだ」

 一方、今のタイヤを最大限に活用する方法をチームが理解できていないことが、メルセデスの問題をさらに大きくしているとハミルトンは考えている。

 ハミルトンは、自分とラッセルがセッションによっては速く走れるのに、次のセッションでは苦戦を強いられるのはこのせいだと主張している。

「タイヤをうまく機能させ、1周を通して最大限のポテンシャルを発揮させるのは、僕たちが苦戦していることのひとつだ」

「Q2ではかすかな希望が見えたが、Q3では何もできなかった。コンマ8秒差は厳しい。言うまでもなくハースと戦っている」

「それが僕たちのマシンの本当の速さなのか、それともタイヤのせいなのかはわからない」

「このタイヤにはたくさんの要素が詰まっていると思う。この1年、僕たちはこのタイヤを使いこなせていないんだ」