F1参戦2年目にして苦戦が続くウイリアムズのローガン・サージェントに関しては、メルセデスF1育成のアンドレア・キミ・アントネッリとシーズン途中で交代させられるというのがもっぱらの噂だ。

 しかしサージェント自身はその噂に気を取られずベストを尽くすだけだと語った。

 サージェントの後任として挙げられるアントネッリは、今年FIA F2に昇格し、メルセデスでF1テストプログラムも開始。ルイス・ハミルトンが今季限りでフェラーリへ移籍するため、アントネッリがジョージ・ラッセルのチームメイトとしてメルセデス入りを果たすシナリオもあり得るのではないかと言われてきた。

 しかしアントネッリはスーパーライセンス発給条件である18歳を満たしていないものの、その条件を免除するようFIAが要請を受けたことから、アントネッリがサージェントの後任としてスタンバイしているのではないかという噂がマイアミGPの週末に急浮上した。

 ウイリアムズは今季、中団グループを争うライバルに先行を許し、マイアミGPを終えた時点でキック・ザウバーと合わせて無得点。アレクサンダー・アルボンがシャシーを修復不可能なほど破壊したことで、サージェントが“身代わり”としてオーストラリアGPの欠場を強いられたが、その後もクラッシュや接触などが続いている。

 メルセデスのトト・ウルフ代表は、アントネッリ昇格の噂を全面から否定したが、レースシートをめぐる不確実性からプレッシャーを感じているかと尋ねられたサージェントは次のように答えた。

「僕は自分の仕事を精一杯やっているだけだ」

「マイアミではFP1でマシンに飛び乗った時から、今年1番のフィーリングだったし、すぐペースを掴むことができたと思う」

「オーストラリア以来、ペース的には比較的上手くいっていると思う。日本では、ほとんど全てを出し切った」

「もちろん、中国は残念だったけど、マイアミでは土曜日も良い仕事ができたと思う。だから……あと0.1秒伸ばしたい。それでも僕は母国にいることを楽しめているし、ベストを尽くしたいと思っている」

 マイアミGPの決勝でサージェントは、ハースのケビン・マグヌッセンと接触リタイア。この際出動したセーフティカーが、ランド・ノリス(マクラーレン)のF1初優勝に寄与した。

 またウイリアムズのチーム代表であるジェームス・ボウルズと、シート確保に関して話し合いがあったかと訊かれたサージェントは次のように答えた。

「いや、それ(シートに関して話しているかどうか)は言えない。そうとは言えないよ」

「チーム内ではジェームスと話したよ。僕のマネージャーたちとも話をしたよ」

 そしてボウルズ代表から確証を得たかどうか質問されたサージェントはこう付け加えた。

「チーム内での会話だ。何も言うつもりはないよ」