女性に性行為を強要したなどと週刊文春に報じられたお笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(60)が名誉を毀損(きそん)されたとして発行元の文藝春秋などを相手取り5億5000万円の損害賠償などを求めた訴訟の弁論準備手続きが5日、東京地裁で非公開で行われた。松本側代理人の田代政弘弁護士らが終了後に報道陣の取材に応じ、この日も文春側から記事に登場した「A子」「B子」の名前などの情報提示がなかったことを明かした。

 田代弁護士は女性たちの特定を巡る原告、被告双方の主張について「こちらは特定されないと認否ができないと言っている。今回、向こうは何も言及していない。特定がされないという前提で裁判を進めるということになる」と、平行線のまま裁判が続行することを説明。裁判の進捗(しんちょく)状況について文春側に対し「準備はしているんでしょうけど、具体的な事実の主張が一切ないというのはちょっと遅いという感じ」とし、「あとは文春側が真実性と真実相当性を主張、立証することになる。こちらは、これまでの主張の追加として松本さんの休業損害を算出して主張する」との見通しを示した。

 次回は8月14日で、今回同様にオンラインによる非公開の弁論準備手続きを行う予定。松本とは最近も打ち合わせで直接会っており、元気な様子だという。

 第1回口頭弁論では、松本側が文春記事に登場する女性2人を特定するため名前や携帯電話番号などの情報提示を求めたが、文春側は情報提示がなくても各記述の認否が可能とし、松本側の要求に疑問を呈していた。