グレシーニのマルク・マルケスは、MotoGP第5戦フランスGPで2位フィニッシュ。グレシーニにとって1000回目のグランプリレースで2戦連続の表彰台を獲得し、最強ライダーの完全復活をさらに印象付けた。

 今回のフランスGPはマルケスにとって、追い上げのレースとなった。予選ではQ1に回ってノックアウトされてしまい、13番グリッドに。しかし13周のスプリントで2位に入ると、27周の決勝レースでも同じく追い上げを見せた。

 表彰台圏内に上がるまでに17周を要し、そこからはホルへ・マルティン(プラマック)とフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)の優勝争いに加わったマルケス。最終ラップでバニャイヤをオーバーテイクし、マルティンと0.446秒差の2位でチェッカーを受けたが、トップ集団に追い付いた段階では優勝争いができると確信できていなかったという。

「今日は自信を持っていなかった。彼ら(先頭集団)に追い付いた時、僕は完全にクタクタだったからね」

 マルケスはそう語る。

「レース中はずっとプッシュしていて、リラックスする暇なんてなかった。彼らに追い付いてからも、アタックを続けた」

「僕はその時『うーん、バイクのフィーリングは良くないな』と思ったんだ。ペッコ(バニャイヤ)の加速も良かった。彼はターン3でうまくディフェンスしてきたので、オーバーテイクするポイントを見つけるのが難しかった」

「でも最終ラップには『何か起こるかもしれないから狙っておこう』と思っていた」

「ペッコはマルティンにアタックしていなかったのが見えたので、ターン8をうまく脱出してターン9で仕掛けた。うまく止まることができたよ」

 またマルケスは、ドゥカティ陣営のVR46に所属するファビオ・ディ・ジャンアントニオとの“奇妙な”3番手争いに巻き込まれることがなければ、優勝のチャンスはもっとあったのではないかと語る。

「あそこでのバトルは変な感じだった。レース中には、自分がどこで戦っているかを理解しないといけない時があるし、後方から追い上げてくるライダーがいるのなら、そこ(でのバトル)で2秒を失うわけにはいかない。僕はあのシケインでの接触で1.5秒を失ってしまった」

「でもそのことは忘れて、前に進むことにした。僕たちのペースは素晴らしかったからね」

「あのバトルがなければ、もっとチャンスがあったのは事実だ。もう少し彼らの後ろでいることができたからね。でも2位という結果もこれ以上ないものだと思う」