FIA F2の第4ラウンド、イモラ戦のフィーチャーレースがイモラ・サーキットを舞台に行なわれ、アイザック・ハジャー(カンポス)が優勝を手にした。

 ポールポジションからスタートしたのはガブリエル・ボルトレト(インヴィクタ)だったが、蹴り出しが鈍く、2番グリッドのオリバー・ベアマン(プレマ)が首位に。以下ハジャー、ジョシュア・デュルクセン(AIX)と続き、ボルトレトが4番手までポジションを下げた。ただ、前日のスプリントレースのような多重クラッシュは起きなかった。宮田莉朋(ローディン)は、スタートポジションからひとつ下げた17番手となった。

 その宮田は2周目、コースオフしたデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)がコースに復帰した時の煽りを受け、21番手までポジションを下げる苦しい展開に追い込まれた。

 なおスタートでは、多くのマシンが今回持ち込まれている2種類のタイヤのうち、柔らかい方のスーパーソフトタイヤを選択。硬い方のミディアムタイヤを選択したのは6人で、アマウリー・コルディール(ハイテック)がその中の最上位だった。

 6周が終了すると、義務ピットストップが解禁に。2番手ハジャー、3番手デュルクセンらが、ここで早々にピットに飛び込み、ミディアムタイヤへと履き替えた。

 先頭のベアマンは、1周遅れてピットイン。無難にタイヤ交換作業を済ませたが、発進の際になんと痛恨のエンジンストール! 再始動にも手間取り、最後尾までポジションを下げることになった。

 スーパーソフトタイヤでスタートしたマシンが全車タイヤ交換を終えた段階で首位に立ったのは、ミディアムタイヤスタートのコルディール。ホセ・マリア・マルティ(カンポス)がそれを1.2秒差で追う展開。タイヤ交換を済ませた中ではハジャーが7番手と最上位で、首位から32秒後方を走る形となった。その後方にはボルトレトである。

 ハジャーのペースは良く、首位を行くコルディールとの差を削り取っていく。一方苦しい戦いを強いられたのが、宮田のチームメイトであるゼイン・マローニ(ローディン)で、トライデントのローマン・スタネックに抑え込まれてしまい、前を行くマシンとの差が開いたばかりではなく、後続のマシンに追いかけられる展開に追い込まれた。

 次第にマローニはスタネックから差をつけられてしまう形になり、20周目にはジャック・クロフォード(DAMS)に抜かれてポジションを落とした。クロフォードはスタネックを攻略して前を目指したが、その後はマローニが再びスタネックに抑え込まれることになった。

 前日に優勝を争ったフランコ・コラピント(MPモータースポーツ)とポール・アロン(ハイテック)のふたりは、このフィーチャーレースでもバトルを展開。スプリントレースでは最終ラップでコラピントがアロンを抜いて優勝をもぎ取ったが、このフィーチャーレースでは立場が逆。コラピントにアロンがプレッシャーをかける形となった。

 タイヤを換えずに先頭を逃げていたコルディールは、30周を走り切ったところでようやくピットイン。スーパーソフトタイヤを取り付けて動き出したその直後、右リヤタイヤが外れ、ピットレーンを転がってしまった。また同じタイミングでピットインしたマルティのマシンからも左リヤタイヤが外れ、同様にピットレーンをタイヤが跳ね回る実に危険な状況になったが、幸いタイヤがメカニックなどに当たることはなかった。

 全車がピットストップを終えたことで、ハジャーが首位に復帰。しかし後方にはボルトレトが僅差で迫っていた。ボルトレトは最終ラップまで、全てのコーナーでプレッシャーをかける。しかしハジャーはなんとか逃げ切り、メルボルン戦のフィーチャーレースに続く、今季2勝目を挙げた。ボルトレトは最後プレッシャーをかけたが、攻略には至らなかった。

 3位に入ったのは、AIXのデュルクセン。今季ここまで、デュルクセン自身も、チームとしても無得点だったが、初入賞がなんと3位表彰台という素晴らしい結果となった。

 F1昇格の噂もあるアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ)は、デュルクセンに離された4位が精一杯。ただ、終盤は猛烈に追い上げてきたコラピント以下を抑えた。アロンは、コラピントを抜けず……前日最終ラップで抜かれた雪辱を果たせず、6位でレースを終えた。

 ポイントリーダーのマローニは11位で痛恨の無得点。ランキング3番手につけていたデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)も無得点だった。

 宮田は結局15位でのフィニッシュだった。