34歳のスペイン人ライダー、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)はカタルニアGPを前に特別記者会見を開き、今季限りでのMotoGP引退を発表した。

 エスパルガロとアプリリアの現行契約は今年いっぱいで満了となるが、2年前の契約締結時にはすでにこれが最後の契約となることを彼は予想していたという。

 4月のアメリカズGPではメディアに対し、2025年に何をしたいのかまだ決めかねていると語っていたにもかかわらず、エスパルガロはレースキャリアにピリオドを打つことを選択した。

「フルタイムライダーとしての引退を発表できることをうれしく思う。このパドックで過ごした20年間は素晴らしいものだったし、アプリリアとともに成し遂げてきたことにとても満足しているし、誇りに思っている」

 そうエスパルガロは語った。

「僕たちは歴史を作ったし、それは決して忘れられるものではない。とても楽しかったし、信じられないような集団を作り上げることができた」

「最終戦のバレンシアまで、まだ多くのレースが残っている。僕が好きで、速く走れるトラックも残っているから、競争力を発揮してまだ素晴らしい週末を過ごせるはずだ」

 エスパルガロは2009年、ミカ・カリオの代役としてプラマック・レーシングからインディアナポリスGPでMotoGPデビューを果たした。

 翌年はプラマックからフル参戦を果たすが、2011年はMoto2クラスに戻ることに。しかし2012年はアスパーからMotoGPに復帰し、アプリリアのCRTマシンで2シーズンを戦った。

 CRTマシンで活躍し評価を高めたたエスパルガロは、2015年にスズキと契約。ファクトリーチームのライダーとして、現在アプリリアでチームメイトとなっているマーベリック・ビニャーレスとともにスズキの開発プロジェクトに加わり、コンスタントにトプ8入りした。

 2017年にアプリリアに移籍したエスパルガロは、マシンから最大限のパフォーマンスを引き出した。2021年のイギリスGPでは3位表彰台を獲得し、アプリリアとしてのMotoGP初表彰台を達成した。

 2022年、エスパルガロはアルゼンチンGPでMotoGP初勝利を達成し、終盤までチャンピオンシップを争ってランキング4位となった。2023年はアプリリアにとって安定しないシーズンでタイトル争いは実現しなかったが、それでも2勝を挙げた。

 彼が安全性に対して積極的に声を挙げてきたライダーであることも特筆すべきだろう。彼はしばしば選手権の安全性に関して率直な意見を述べ、必要な変更を求めてきた。