Autosport/motorsport.comの調べによると、今季限りでフェラーリを離脱し、来季に向けてはシートを探している最中のカルロス・サインツJr.がウイリアムズとも交渉しているようだ。

 サインツJr.の去就を巡ってはここ数週間で様々な憶測が飛び交っている。特に、2026年からアウディのワークスチームとなるザウバーは、サインツJr.に長期契約のオファーをしていることが知られている。

 ただアウディとしては将来の地盤を固めるために出来るだけ早くドライバーラインアップを整理したいという意向があり、サインツJr.に対して早急な決断(一説には5月中とも言われる)を望んでいる。その一方でサインツJr.としては、決断を急ぎたくないという面もある。レッドブルやメルセデスといった現行の上位チームに入れる可能性があるかもしれないからだ。

 しかし、そのチャンスも徐々に薄れつつある。レッドブルはセルジオ・ペレスと1年契約を更新する可能性が高く、メルセデスもジュニアドライバーのアンドレア・キミ・アントネッリをF2から昇格させる方向で動いているようだ。

 そんな中、Autosport/motorsport.comが得た情報によると、サインツJr.はウイリアムズとも話をしているようだ。

 ウイリアムズは将来に向けて野心的な目標を掲げており、上位チームに返り咲くための環境整備を進めている最中。先日はアレクサンダー・アルボンとの契約を延長したばかりだ。

 ウイリアムズとの契約がサインツJr.にとって魅力的と言えるのは、ウイリアムズがメルセデスのカスタマーパワーユニット(PU)を使っているという点。メルセデスは新規則となる2026年のPUに早くも期待を寄せているという話もある。

 ウイリアムズのチーム代表を務めるジェームス・ボウルズは先週イモラで行なわれたエミリア・ロマーニャGPの中で、たとえ現在のパフォーマンスが素晴らしいものでなかったとしても、チームは今後数年間で可能な限り進歩を遂げるために全力を尽くしていると語った。

「2025年のマシンは風洞の中にある」とボウルズは言う。

「みんな、2026年と2027年に一歩前に出るためにそうしているんだ。私のメッセージは一貫して変わらない。それらの(2026年よりも前の)マシンを気にしないというわけではないが、私は未来に成功を収めたいのだ」

「そうするためには、組織を変革するべくかなり厳しい決断も下さないといけない」