レッドブルのマックス・フェルスタッペンが、RBの角田裕毅を「チームメイトとして君が必要だ」と誘った。しかしF1ではなく、将来ル・マン24時間レースに出ることになったら……の話だ。

 今週末はF1モナコGPとインディ500という、世界三大レースのうちふたつが開催される、モータースポーツが1年で最も盛り上がる週末と言えるだろう。そして6月15日から16日にかけては、三大レースのうちもうひとつ、ル・マン24時間レースの開催が予定されている。

 現在のル・マン24時間レースを含むWEC(世界耐久選手権)には、数多くの自動車メーカーが参戦し、盛況を迎えている。F1に参戦中のメーカーの中にも、アルピーヌやフェラーリなど、WECにも参戦してるメーカーもある。

 そのため、モナコGPの木曜日に行なわれたFIAの公式記者会見に登壇したF1ドライバーたちには、将来ル・マンに参戦することに興味はあるかという質問が飛んだ。

 いずれのドライバーも、今ではないものの、いずれ参戦してみたいと答えたが、中でも最もしっかりと回答したのは、フェルスタッペンだった。

 フェルスタッペンは以前から、ル・マンに参戦することに興味を持っていると明かしている。また、先週のエミリア・ロマーニャGPの週末には、F1参戦と並行して、バーチャルで行なわれたニュルブルクリンク24時間にもドライバーとして参戦。F1と”バーチャル”ニュル24時間いずれも制し、チーム代表のクリスチャン・ホーナーから”レーシングマシン”と呼ばれた。

「僕は11歳か12歳の頃、父はル・マンのLMP2でレースをしており、その翌年にはLMP1で走っていたのを覚えている。当時、僕はまだ子供だったけど、(ル・マンの)全体の雰囲気だけでも、素晴らしかったんだ」

 フェルスタッペンはル・マン24時間についてそう語った。

「チームメイトと協力して、セットアップの適切な妥協点を見つけなければいけない。いろんなところで情報を追っているし、話し合ったりもしているんだ」

「でも、現時点で僕が参加するには時期尚早だと思うよ。だって、新しいレギュレーションでも、車両間のBoPをもう少し適切にしなきゃいけないと思っている。当たり外れがあると思うんだ。そしてドライバーの体重も重要だ。装備をすべてつけると、80kgくらいになってしまう可能性がある。それには制限が必要だと思うね。中には、55kgとか60kgで済むドライバーもいるけどね」

「だから、今僕がル・マンに行っても、チャンスはないと思う。ご存知の通り、その差は1周あたりコンマ数秒の差になってしまうからね。信じられないほどの違いだ。それは解決する必要があるだろうね」

 しかしフェルスタッペンは、将来間違いなくル・マンに挑戦したいと語った。

「でも僕は、将来的にはル・マンに出てみたいと思っている。だって、信じられないようなイベントだよ」

 なおこの質問をちゃんと聞いていなかったドライバーがひとりいた。それが、フェルスタッペンのふたつ隣に座っていた角田だ。「ユウキ、ル・マンは?」と振られると、次のように語った。

「え? ル・マンですか?」

「ごめんなさい。ちゃんと質問聞いていませんでした……来年のル・マン?」

 司会者は質問を繰り返すと、角田は次のように答えた。

「うん、いつかですね。そう思いますけど……ごめんなさい、あんまり考えていませんでした。次の人に聞いてください……汗」

 そう歯切れの悪い角田を熱烈に誘ったのが、フェルスタッペンだった。

「ユウキ〜、チームメイトとして君が必要なんだよ。君は体重がとても軽いから、きっとものすごく速いぜ。僕の体重が重いのを、きっと補ってくれるよ」

 フェルスタッペンがル・マンに参戦する時、角田がチームメイトを務めることはあるのだろうか? また、F1でもコンビを組むのを見てみたいものだ。