レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ここ数戦でチームが100%の力を発揮できていないと認め、今後は「持てる全てを出す必要がある」と語った。

 2022年のレギュレーション改定以降、レッドブルは圧倒的な強さでライバルを圧倒。2023年シーズンにチームはコンストラクターズタイトル2連覇を達成し、フェルスタッペンがドライバーズタイトル3連覇を果たした。

 2024年シーズンに向けてレッドブルは従来型とは大きく空力デザインの異なるRB20を投入。さらにライバルを突き放しにかかった。

 しかし蓋を開けてみると昨年ほどのアドバンテージはなく、7戦を終えた時点でフェルスタッペンとレッドブルが両チャンピオンシップをリートしているものの、フェラーリとマクラーレンの追撃を許した。

 オーストラリアGPではフェラーリのカルロス・サインツJr.が優勝し、マイアミGPではマクラーレンのランド・ノリスが優勝。この2チームは積極的にアップデートをマシンに投入しており、直近のエミリア・ロマーニャGPでも優勝したフェルスタッペンにノリスが肉薄した。

 エミリア・ロマーニャGPでレッドブルはフリー走行からマシンのバランスと挙動に苦しみ、金曜日から土曜日にかけてチームはより良いセットアップ作りに時間を費やした。

 それでもフェルスタッペンは、予選Q3でニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の強力なトウ(スリップストリーム)を得てポールポジションを獲得し、マクラーレン勢の予選1-2を阻止。レースでもノリスの追撃を振り切った。

 ただフェルスタッペンは、マイアミGPとエミリア・ロマーニャGPを受けて、レッドブルにもはやミスをする余裕はないと語り、これまでのように勝ち続けるには完璧なレース週末を組み立てる必要があると認めた。

「マイアミを終えてイモラに入った時、全体的にかなり接近していた。僕らにとって、イモラが最も簡単な週末じゃなかったとしてもね」とフェルスタッペンは言う。

「もちろん、モナコではいつもそんな感じたし、あとはどのチームがマシンにパフォーマンスを追加できるか、可能な限りベストなマシンセットアップを見つけられるかどうかにかかっている」

「接近していることで、僕らは100%のベストを尽くすことがかなり重要になった」

「それが必ずしも現実的に可能じゃないとは分かっているけど、常にある程度のポイントに達成しようと努力する。ここ数戦、僕らはそのレベルで運営できなかったのかもしれない」

「でも毎週末、僕らは可能な限りベストなセットアップを見つけるためにまたトライしているんだ」

 低速域でのパフォーマンスと縁石に乗り上げた際のマシン挙動はRB20の数少ない弱点であり、フェルスタッペンはモナコGPに向けても特に慎重な姿勢を示している。

 レッドブルでモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコはフェラーリを本命視。一方チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、マクラーレンを警戒していると語った。

「コースレイアウトを見る限り、僕らにとってベストなサーキットじゃないかもしれない。僕らのマシンは通常、縁石や凸凹を越えるのに苦労するからね」とフェルスタッペンは言う。

「昨年と比べれば少し改良してきたし、これまでのところ、ほとんどのサーキットで低速域でのパフォーマンスが少し向上した。でも、簡単な週末にはならないと思う」

 ただモナコは、たとえ最高のマシンを持っていたとしても、決して一筋縄ではいかない。一度つまずけば、全てが後手に回る可能性があるのだ。

「イモラでのスタートは本当に悪かった。あんな週末は二度とごめんだ」とフェルスタッペンは語った。