F1モナコGPのフリー走行1回目が行なわれ、メルセデスのルイス・ハミルトンがトップタイムを記録した。RBの角田裕毅は、8番手だった。

 今年もF1サーカスが、モナコ・モンテカルロにやってきた。その最初のセッションであるフリー走行1回目は、ドライコンディションの中始まったが、サーキットの西側から強い雨雲が迫りつつあり、いつ雨が降り出すのか……という状況だった。いくつかのチームは、セッション中にも雨が降り始めると予想していた。

 そのためか、セッション開始と同時に全車がコースイン。レッドブルのマックス・フェルスタッペンとマクラーレンのオスカー・ピアストリ、そしてRBの2台がミディアムタイヤを履いた以外は、すべてのマシンがハードタイヤを履いた。

 セッション開始から10分と少しが経過したところで、アルピーヌのピエール・ガスリーがピットイン。パワーユニットに問題が発生しているようで、ガレージで調査する必要に迫られた。それほど大きな問題ではなかったのか、すぐにコースに復帰したが、今度はガスリーから「パワーがない」との無線が入り、再びピットに戻った。

 セッションが折り返しを迎えようというところで、複数のマシンが2セット目のタイヤを投入。この時点で角田はまだ1セットしかタイヤを使っていなかったが、トップチームの間に分け入る5番手につけていた。今回も角田の調子は良さそうだ。

 セッション後半には、複数のマシンがソフトタイヤを投入。タイムシートが目まぐるしく入れ替わるような格好となった。まず速さを見せたのはメルセデスのジョージ・ラッセルで、タイムは1分1秒295……全セクター最速を記録した。チームメイトのルイス・ハミルトンも速さを見せ、一時メルセデスが1-2を占めるシーンもあった。

 ただこれを上回ったのはマクラーレンのオスカー・ピアストリ。プールサイドの出口でウォールにヒットしながらも、1分12秒198の最速タイムを記録してみせた。

 ソフトタイヤで走行を続けていたハミルトンが1分12秒169にトップタイムを更新したその直後、キック・ザウバーの周冠宇がターン1”サンテ・デボーテ”でフロントウイングをウォールに当ててしまい、翼端板が完全に脱落。ルクレールがこれを完全に踏んでしまった。

 これでコース上に多量の破片が散らばってしまったため、残り15分というところで赤旗中断。その破片を回収し、5分後にセッションが再開された。

 セッション再開後には各車がコースイン。そんな中レッドブルのセルジオ・ペレスは左リヤをウォールにヒットさせてしまったようで、割れたホイールでピットに戻った。

 結局セッション終盤にトップタイムを更新するマシンはなく、ハミルトンが首位でFP1終了。2番手にはピアストリ、3番手にはラッセルが入った。角田は結局8番手。チームメイトのダニエル・リカルドが僅差の9番手で終えた。

 フェルスタッペンは11番手で終了。ただフェルスタッペンは、ミディアムタイヤのみ2セットを使うという戦略。一方でメルセデスは、FP2が雨になることを予期してか、ハード、ミディアム、ソフトを1セットずつ、合計3セットのタイヤを使った。

 なおセッション序盤にPUトラブルに見舞われたガスリーは、終盤になってコースに復帰することができたが最下位となった。