FIA F2のモナコラウンド予選が行なわれ、リチャード・フェルシュホー(トライデント)がポールポジションを獲得した。宮田莉朋(ローディン)はマシントラブルか、満足いくアタックができず107%ルールをクリアできなかった。

 迎えたF2の第5ラウンド、モナコ戦。コースが狭いということもあり、予選はグループAとグループBのふたつに分けて行なわれた。いずれも16分間のセッションである。

 前日のF2フリー走行は雨の中行なわれ、直前のF1のフリー走行では、降雨の可能性も指摘されていたが、サーキットに近づいていた雨雲は消え、このF2の予選もドライコンディションが保たれた。

 まず行なわれたグループA。セッション開始直後から全車がコースインし、周回を重ねていく。そして周回を重ねるごとに、ラップタイムはどんどん速くなっていった。

 各車が1回目のアタックラップを終えたところで首位に立ったのは、ARTグランプリのザク・オサリバン。カンポスのアイザック・ハジャーがこれに続いた。モナコ初挑戦の宮田莉朋(ローディン)は最下位の11番手と厳しい状況となった。

 2回目のアタックで各車ペースを上げたが、やはりオサリバンが首位。2番手にはトライデントのリチャード・フェルシュホーが上がった。

 そんな中宮田はマシントラブルか、トンネル内でスロー走行となってしまう。そこにアタック中のハジャーが接近し、あわや追突というシーンがあったが、ハジャーはなんとかステアリングを左に切ってギリギリ回避。大事故は避けられた。

 宮田は結局、マシンをピットに戻すことになってしまった。

 他の10台は引き続きアタック。ここで首位に立ったのはフェルシュホーで、ハジャーが2番手。ガブリエル・ボルトレト(インヴィクタ)はタバココーナーでウォールにヒットしながら、3番手に上がった。

 結局フェルシュホーが首位で予選グループAはチェッカー、タイムは1分21秒283だった。2番手にはハジャー。3番手フランコ・コラピント(MP)、4番手アンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ)と、最後のアタックでタイムを上げた2台が上位につけた。宮田は結局コース復帰は叶わず、しかも107%をクリアできずにグループA最下位で予選を終えた。

 続いて行なわれたグループB。こちらにはランキング首位のゼン・マローニ(ローディン)や2番手のポール・アーロン(ハイテック)ら有力どころのドライバーが含まれていた。

 各車がコースインして周回を重ね、そろそろアタックに入ろうかというところで、VARのラファエル・ヴィラゴメスがターン1”サンテ・デボーテ”でクラッシュ。パーツの破片を撒き散らし、カジノに向けた上り坂”ボー・リバージュ”の入り口でストップしてしまった。これでセッションは赤旗中断。アタックに入ろうとしていた各車は、出鼻を挫かれる格好となった。

 5分ほどの中断を経てセッション再開。この時点で、残り時間は10分を切っていた。

 まずトップタイムを記録したのは、ARTグランプリのヴィクトー・マルタンス。ただ、セクター2でイエローフラッグが振られた関係で、アタックやり直しを強いられるマシンもあった。

 このマルタンスを含め、マローニ、ローマン・スタニャク(トライデント)らによる、激しいアタック合戦となっていった。

 決着は最終アタックまで持ち越され、各車がセクターベストを出し合いながら攻めた。

 結局最終的にトップでグループBを終えたのはマルタンス。タイムは1分21秒310だった。アーロンが最後迫ったが、0.037秒マルタンスに及ばなかった。なおセッション最終盤には、オリバー・ペアマン(プレマ)やスタニャクがウォールにヒットするシーンもあった。

 この結果、予選を通じて最速タイムをマークしたフェルシュホーが、日曜日のフィーチャーレースのポールポジションを獲得。マルタンスが2番グリッドからスタートすることになる。

 また、土曜日のスプリントレースはリバースグリッドとなるため、AIXのテイラー・バーナードが先頭からレースをスタートする。バーナードは先日同じモナコで行なわれたフォーミュラEのレースも経験したばかりであり、その経験を活かせるかどうかが注目される。