シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:ゆゆさん(埼玉県・20代女性)

埼玉県在住のゆゆさんと夫はその年の結婚記念日、生後6か月の子供を連れて旅行に出かけた。

子供は部屋では大人しくしていたのだが、大浴場でゆゆさんが身体を洗い出した途端に......。

赤ちゃんとの旅行(画像はイメージ)

<ゆゆさんの体験談>

「結婚記念日、せっかくなら旅行したいよね」。そんな話をした私と夫は、6か月の子供を連れて旅行することにしました。

初めての子供を連れての旅行は、念には念を、とやってきたもりでも、思うようにはいかないこともやっぱりあって......。

部屋ではとてもおとなしかったのに...

宿泊したのは、ベビー歓迎のホテルを探してみつけた、とてもよくしてくださる所。子供は部屋ではかなりいい子で、夜の食事中なんて寝てしまうくらい大人しかったので私も安心していました。

初めての子連れ旅行で...(画像はイメージ)

しかし、お風呂の時間になり、せっかくならとベビー用品も備えてある大浴場へ子供を連れて行くと、私が身体を洗い出した瞬間に大泣き。「仕方ない、子供だけ洗って後でまた来よう......」と思い、お風呂を出ました。すると「すみません!」と声をかけられたのです。

「赤ちゃんを大浴場に連れてきたの迷惑だったよなぁ...」と焦っていたら、その人が続けました。

「良かったら抱っこさせてもらえませんか?」

その方も月齢の近い子供と宿泊しているとのことで、私が身体を洗えていないのではないか、湯船につかれていないのではないかと心配し、提案してくださったのでした。優しい女性に優しい言葉をかけていただき、子供だけでなく私まで涙が出てしまいました。

ご厚意に甘えて私は急いで身体を洗い終え、「ありがとうございます。申し訳ありません」と何度も頭を下げて出ようとしたのですが「お風呂つかりました? ゆっくりつかってください! 私抱っこしてますから」と......。

恥ずかしさと申し訳なさでいっぱいでしたが、お風呂にゆっくりつかることも出来て、心までとても温まりました。

どこの誰かもわからないまま...

なにかお礼をしなければと思ったのですが、財布を部屋に置いてきてしまっていて、飲み物か何かをお渡しすることも出来ませんでした。

翌日の朝の食事会場でも出会えず、何もできないまま、どこのどなたかもわからないまま、お別れしてしまいました。

どこの誰かも分からないまま...(画像はイメージ)

あの時は、助けてくださってありがとうございました。温かい声掛けが、私にとってとてもありがたいことでした。

ドタバタの結婚記念日になりましたが、とても良い思い出です。

あの時の女性のお子さんが、私の子供と同級生にあたるので、偶然また再会できたら......と願うばかりです。

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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)